「今度こそ自分に合った介護施設を選びたい」
このようにお考えなら、見学・面接の質問のやり方を工夫してみましょう。質問への答え方と面接官への“逆質問”に一工夫を入れることで、自分に合った介護施設を選びやすくなります。
今回は、自分に合った介護施設を選んだ青木さん(仮名)に、介護職が質問で後悔した事例・成功した事例を伺いました。ぜひ参考にしてみてください。
インタビュー対象者
青木さん(仮名)35歳
見学・面接の質問で失敗した過去を教訓にして、自分と相性のよい介護施設を見つけた介護士さん
目次
介護職が“見学・面接の質問”で後悔した事例
はじめに、介護職が見学・面接の質問で後悔した事例をみてみましょう。青木さんからは2つのエピソードを伺いました。
【見学の失敗談】質問できずに見学が終わってしまった
採用担当者に案内されて施設内を見学した青木さん。肝心の質問がほとんどできなかったと言います。
担当者の説明を聞くことに精いっぱいで、気持ちに余裕がありませんでした。用意した質問もあったのですが、「これを訊いたら失礼かな?」「変に思われるかな?」と考えたら質問もできなくなって…
インタビュアーが「緊張していたからでしょうか?」とたずねると、
緊張もあると思います。けど、一番の原因は施設のことを調べていなかったことかもしれません。求人票で待遇や福利厚生は調べていたのですが、施設の特色などはみていませんでした。
担当者の方が困ったような表情をしていたことを覚えています…と青木さんは残念そうに当時を振り返ってくれました。
【面接の失敗談】志望動機や逆質問をテンプレートで対応した
続いて、青木さんは面接の失敗談を話してくれました。
いい感じの志望動機や質問が思い浮かばなくて、「明日は面接なのにどうしよう!」とすごく焦ったことがあります。もう間に合わないと思って、インターネットと面接対策本に書いてあるテンプレートを丸暗記して面接にのぞみました。
青木さんによると、インターネットや本には「採用される志望動機」と「採用担当者の好感につながる逆質問」などが書かれていたそうです。その結果はー。
面接の結果は不合格でした。僕が本音で話していないことを、面接官の方に見抜かれていたような気がします。今になってみると、僕は「こんな介護職だったら採用されるだろう」という理想的な人を演じていただけかもしれません。
介護職が“見学・面接の質問”で成功した事例
2つの失敗談をいかしたいと考えた青木さんは、対策をして次の面接・見学にのぞみました。ここからは、見学・面接を成功に導いた質問例を紹介します。
応募先の介護施設を調べてから質問を考えた
はじめに、青木さんは以下の媒体で応募先の介護施設をじっくり調べたそうです。
- 介護施設のホームページ
- 職員が書いているブログ
- 運営母体のホームページ(理念・沿革・事業計画など)
応募先を調べると、今までよりも施設の特徴がよくわかって、自然に質問したいことが頭に浮かびました。
たとえば、行事に力を入れている特養には「季節行事を大切にされているのは、どのような理由でしょうか」と質問したり、
畑作業ができる有料老人ホームには「入居者の方が家庭菜園を始めて、どのような変化がありましたか?」と質問しました。
その結果はー
「調べてくれてありがとうございます」と、面接官の方が笑顔になったのが印象的でよく覚えています。お礼のあとに、ホームページやパンフレットには載っていなかった“現場レベルで大切にしている考えや取り組み”まで教えてくれました。
自分の“弱み”を隠さずに伝えて信頼を獲得した
続いて紹介するのは、青木さんが「あなたの強み・弱みを教えてください」と質問されたときのエピソードです。はじめに、青木さんは自分の弱みを教えてくれました。
私には、「思いついたら即行動してしまう」という弱みがあります。過去に、利用者が喜んでくれそうな“外出レクリエーション”をその場で考えて実行したことがありました。
そのときは、上司や同僚に「現場が混乱するので、やる前に一言相談してください!」と強めに注意されましたね…。
青木さんは、こうしたエピソードを面接官の方に隠さずに伝えたそうです。
過去の失敗を繰り返したくなかったので、「利用者さんに喜んでもらいたかった」「私自身も楽しみながら仕事をしたかった」という僕の本音を面接官の方に伝えました。
面接官の方の反応について伺うと、
「詳しく教えてくれてありがとうございます」とお礼を言われてびっくりしました。
そのあとは、「今後、現場経験を積んで自分の弱みも改善していきたい」という僕の話まで、しっかり聞いてくれていたように思います。
求職者だけでなく施設側も「ミスマッチによる早期退職を防止したい」と考えています。だからこそ、青木さんのように自分の弱点を素直に伝え、改善したいという気持ちを示すことで、面接が成功するケースも多いのです。
現場の雰囲気や職員の人柄を確かめてから質問した
テンプレートに頼らない自分なりの質問を見つけるために、青木さんはボランティアで施設体験をしたそうです。
ボランティアで現場に立ってみて、入居者さんの表情や職員の接し方を体験できました。職員と直接コミュニケーションも取れるので、施設や会社のことがよくわかりましたよ。
施設体験後、青木さんが考えた質問がこちらです。
行動力のある青木さんらしいエピソードだと感じます。なお、施設ボランティアの可否や日時などは、採用担当者の方に相談の電話を入れたそうです。
自分に合った介護施設を見つけるポイントは「事前準備」
面談・見学の成功体験から、”自分に合った介護施設を見つけるポイントは「事前準備」にある”と感じた青木さん。
以下に、青木さんが実践した「自分に合った介護施設を見つけるための事前準備」のやり方を紹介します。括弧書きの内容は青木さんの例です。
- 自分の気持ちを確認する
(僕は少人数の現場で落ち着いた雰囲気のなかで働きたい) - これから先どんな介護職になりたいのかをイメージする
(入居者とじっくり関われる介護職になりたい) - その仕事になぜつきたいのかを振り返る
(ユニット型の入居施設なら家族的な関り方ができる) - その会社のどこがいいのかをはっきりさせる
(誕生会や夏祭りなどの行事が多い)
自分の気持ちと「なりたい介護職の姿」をイメージしたら、自分に合った介護施設を前よりも選びやすくなりました。
その後、青木さんは採用された介護施設で尊敬できる先輩や気の合う仲間に出会えたと言います。
まとめ
今回は青木さんへのインタビューを通じて、自分に合っている介護施設を見つけるための面接・見学の質問のポイントを紹介しました。
「質問に正しく答えて好印象につなげたい」「間違った回答をして不採用になりたくない」このように考えると、面接や見学の前から緊張してしまいますよね。
しかし、その会社を選んだ理由がはっきりしていると、青木さんのように自分のなかに軸が生まれて、“質問すべきこと”が浮かび上がってくるのかもしれません。
自分なりに時間をかけて考えた質問や志望動機は、きっと採用担当者に伝わります。ぜひ皆さんもこれを機会に自分の本音を探してみてください。

