重度訪問介護の夜勤とは?一日の流れと仕事内容を30代介護職に伺いました

障害者福祉で働くことに興味のある方にとって、夜勤の業務内容は気になるポイントではないでしょうか。

「重度訪問介護の介護職でやっていけるかな?」「夜勤がきつそう…」と不安を感じている方も多いと思います。

今回は重度訪問介護のヘルパーとして活躍する森田さん(仮名)に、重度訪問介護の夜勤の具体的な仕事内容や一日の流れを詳しくお伺いしました。

インタビュー対象者
森田さん(仮名) 39歳
重度訪問介護、居宅介護の介護職として従事経験あり

重度訪問介護の夜勤の仕事内容|一日の流れ

はじめに重度訪問介護の夜勤のスケジュールをみてみましょう。

下表は、森田さんから伺った基本的な一日の流れです。

時間 業務内容
16:00~16:30 交代・引き継ぎ
17:00 本人と雑談・予定の確認
17:30 夕食作り
18:30 食事介助
19:00 入浴介助
19:30 口腔ケア・排せつ介助
20:00 スマホゲームやテレビゲームで遊ぶ利用者とコミュニケーション・見守り
22:00 就寝介助・簡単な掃除
22:00~翌7:00 本人の希望に合わせて体位変換、排せつ介助、水分補給など

※休憩や仮眠は適時

7:30 起床介助
8:00 朝食準備
8:30 食事介助・服薬介助・口腔ケアなど
9:00 交代・引き継ぎ

森田さんによると、重度訪問介護の夜勤は3つのパートに分けられると言います。

  1. 交代から利用者が就寝するまで
  2. 夜間帯
  3. 起床から交代するまで

各パートの仕事内容を順番に森田さんへ伺いました。

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16時~22時|ヘルパー交代から就寝

前任のヘルパーさんからの交代では、実際どんなやりとりがあるのでしょうか。

森田さん
利用者の自宅に到着したら、まず前任のヘルパーから体調や日中の様子などの引き継ぎを受けます。
次に、これからの予定を利用者と確認します。
食事のメニューと提供する時間、入浴のタイミング、今日のうちにやっておきたいこと、明日の準備などが主な確認事項ですね。

予定を確認するときは、利用者の意見を尊重します。
「これからどうしたいのか」「それをするために、どんな手助けが必要か」「心配なことは何か」。ヘルパー主体にならないように心がけると、利用者の支援がスムーズに進みますよ。

なるほど。前任からの交代後は、利用者さんの予定や希望をしっかりと確認する時間も大切にしているんですね。

森田さん
はい、重度訪問介護の主人公はあくまで利用者さんですから。予定を確認したら、業務スタートです。
食事を作ったり入浴介助をしたり、本人の希望があるときに排せつ介助をしたりします。

やることはたくさんありますが、利用者さんは1人ですから。相手のペースに合わせて一つひとつ丁寧に行っていくと、「いつの間にか業務は終わっている」って感じです。

施設のように複数人を同時に対応するのではなく、1対1でゆっくり進めているのがよくわかりますね。

22時~翌7時|夜間帯の対応

夜勤と聞くと、夜中もずっと対応に追われて休めないイメージがあるのですが、実際はどうなのでしょうか?

森田さん
利用者さんによって就寝時間は違いますが、大体21時~23時の間に寝る方が多いかなと思います。
重度訪問介護で取れるまとまった休憩時間は、利用者さんがベッドに横になって休んでいる時間ですね。この間は、ヘルパーも仮眠を取れますよ。

利用者さんが休まれている時間は、ヘルパーも休めるんですね。

森田さん
ヘルパーは、起きて何かしていても問題ありません。ただし、利用者さんの眠りを妨げてしまうような行為はNGですね。
物音に気をつけながら静かに過ごすのがヘルパーのマナーです。
私の場合は、簡易ベッドで横になりながらスマホをいじってることが多いですね。

夜間帯の仕事内容は、2時間置きの体位変換が主です。
排せつの訴えがあった場合は、尿器を活用します。
深夜帯のトイレ介助は、昼間より転倒リスクが高いので、排便以外は安全のために尿器への排せつをお願いしています(※)。
※おむつを使用する方の場合は、ベッド上でのおむつ交換となるそうです

常に動き続けるというより、必要なタイミングで対応するイメージなんですね。
夜間帯の過ごし方のイメージがしやすくなりました。

7時~9時|起床~ヘルパー交代

朝の時間帯はバタバタしそうなイメージがありますが、実際はどのような流れで進むのでしょうか?

森田さん
重度訪問介護の夜勤の朝は、案外のんびりしていますよ。
私の場合、起床介助・着替え・排せつ介助、朝食の支度までに1時間くらいかけてます。

もっと忙しいのかと思っていました。意外と落ち着いて対応できるんですね。

森田さん
ただ、買い物や通院などの外出予定があると少し忙しくなりますね。
外出時間から逆算して、食事を済ませてもらったりお金や保険証を用意したりします。
細かな作業をしておくと、次のヘルパーさんの仕事がやりやすくなりますよ。

最後に、「重度訪問介護サービス提供実績記録票」に夜勤の実績を記入して、利用者さんから確認印をもらいます。そして、交代のヘルパーに引き継ぎをしたら業務終了です。

朝の時間帯は、落ち着いて対応できる時間もありつつ、一つひとつ準備を整えて次のヘルパーさんへにつなぐ、大事な時間なんですね。

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重度訪問介護の夜勤の注意点

ここまでのお話を聞くと、働きやすい部分も多そうですが、気をつけておくべき点はありますか?

森田さん
重度訪問介護の夜勤で注意したいのは、利用者さんへの対応方法だと思います。
具体的には、身体介助や言葉かけは丁寧にすること。
クレームを防ぐ意味でも、基本となるのは丁寧な対応です。

ただ、「仲の良い友達のようにフレンドリーに接して欲しい」という利用者さんもいます。
そんなときは、最低限の距離を守りつつ硬くなり過ぎないコミュニケーションを心がけています。

利用者さんに合わせて、距離感や接し方を調整することが大切なんですね。

森田さん
その通りです。あとは「緊急時の現場対応」にも気をつけたいですね。
相手の方のADLや病歴の確認、緊急時の対応は頭に入れておきたい情報です。
マニュアル等がその方の自宅にあるケースも多いと思いますが、重要な情報は予習・復習しておくといざというときに役立ちます。

重度訪問介護の夜勤、実は働きやすい?

最後にインタビュアーから、「重度訪問介護の夜勤は働きやすいですか?それともきついですか?」と少し踏み込んだ質問をしてみました。

すると、森田さんは以下のように話してくれました。

森田さん
高齢者の介護施設の夜勤と比べたら、働きやすいんじゃないでしょうか?
「利用者1人だけみていればいい」「認知症特有の問題行動がない」「横になって休む時間がある」などは、重度訪問介護の夜勤の働きやすいポイントだと思います。

確かに重度訪問介護の方が拘束時間は長いですが、常に動き回るわけではありません。
利用者さんとゆっくり話したり一緒にゲームしたりと密な交流の機会もありますよ。

利用者さんの対応方法に悩むときは「きつい」と感じますが、そんなときは職場の上司や先輩からアドバイスをもらっています!
上司や先輩の方もいろんな経験を積んでいるので、困ったときには親身にサポートしてくれますよ。

まとめ

森田さんに話を伺うと、重度訪問介護の夜勤は拘束時間は長いもののそれほど激務ではないことがわかってきました。

最後に、重度訪問介護のやりがいについて教えていただきました。

森田さん
利用者さんと徐々に信頼関係を育める点が、重度訪問介護のやりがいだと思います。
距離が近くて接する時間も長いからこそ、相手のために取った行動や言葉かけが相手に響く瞬間にやったと思えるんですよね。

もちろん、利用者さんは何らかの重い障害を持っている方なので、時に苛立ちや怒りを表に出すこともあります…。ですが、困ったときには同じ事業所の仲間を頼って、一緒に解決方法を考えていきましょう!

一人ひとりの方とじっくり関わりたい方は、ぜひ重度訪問介護のヘルパーを考えてみて欲しいと思います!

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