30代未経験から介護職へ転職してどうだった?男性が語るメリットとやりがい【前編・体験談】

介護が必要な高齢者とその家族を支援する「介護職」は、やりがいや魅力にあふれた仕事です。

しかし、介護経験の乏しい方が介護職への転職を考えるとき、以下のような不安・疑問を感じるかもしれません。

「そもそも介護未経験者は介護職になれるの?」
「どのくらいの人が未経験から介護業界に転職しているんだろう?」
「未経験から介護職になった人の体験談を聞いてみたい」

この記事では未経験から介護職へ転職した30代男性の体験談を基に、介護職の魅力とやりがいを紹介します。介護職への転職を検討している方は、ぜひご覧ください。

介護業界に飛び込む人、意外と多い?

公益財団法人 介護労働安定センターが実施した「令和2年度 介護労働実態調査」を参考に、異業種から介護業界へ転職する人の割合を確認しましょう。

同調査では、介護事業所で働く介護労働者5万4,000人を対象にアンケート調査が行われました。
調査の中で「これまでの勤務先で経験した仕事内容は次のうちどれにあてはまりますか」という質問に対して“介護・福祉・医療関係以外の仕事”という回答が、全体の62.1%を占めました。
その他の回答項目は次のとおりです。

①介護関係の仕事に就いていた=33.5%
②介護以外の福祉関係の仕事に就いていた=6.8%
③医療関係の仕事に就いていた=20.4%

①~③の割合を合計すると60.7%となりますが、それでも「介護・福祉・医療関係以外の仕事に就いていた人の割合」より低い数値です。
つまり、異業種から介護業界に飛び込み、その後も継続して働いている人は多いのです。

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なお、男女別にみた回答内容と割合は以下のとおりです。

項目 男性 女性
有効回答数 4,627人 1万6,008人
介護・福祉・医療関係以外の
仕事に就いていた人の割合
69.2% 60.3%
介護関係の仕事に
就いていた人の割合
33.7% 33.4%
介護以外の福祉関係に
就いていた人の割合
7.3% 6.7%
医療関係の仕事に
就いていた人の割合
11.9% 22.6%

参考:公益財団法人介護労働安定センター|令和2年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書

令和2年度介護労働実態調査の概要

項目 内容
調査対象 介護保険指定介護サービス事業を行う事業所
調査方法 調査対象のうちから1万8,000事業所を無作為抽出
対象となる介護労働者の人数 5万4,000人
有効調査対象事業所/労働者 1万7,544事業所/5万2,632人
有効回収数/回収率 2万2,154人/42.1%

参考:公益財団法人介護労働安定センター|令和2年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書

令和2年度 介護労働実態調査」からは、前職の就業形態(無期雇用か有期雇用か)や辞めた理由を男女別に確認できます。興味のある方は確認してみましょう。

介護経験なしの30代男性が介護職に感じたメリット

〜体験談を紹介してくれた介護士さん〜
桜田さん(仮名) 30歳 男性

介護経験のない方が介護職に転職すると、どのようなメリットを感じるのでしょうか。家電メーカーの営業職からデイサービスの介護職へ転職した桜田さんへの取材を基に、5つの体験談を紹介します。

「ありがとう」と言ってもらえる

桜田さんが介護職へ転職して感じた大きなメリットは、利用者や家族から「ありがとう」と言ってもらえることだそうです。

桜田さんが営業職の頃、取引先にお礼を言うことはあっても、相手からお礼を言われることはほとんどなかったと言います。

「介護職になって新鮮だったことは、用者さんを介助して『すまないね、ありがとね』と感謝されたことです。帰りの送迎では、『いつもありがとうございます』と利用者の家族から感謝の言葉をもらいました」

「仕事をしてお礼を言われることは嬉しかったです。今でも、お礼を言われるとまた頑張ろうと思えます。お礼の品を渡されると困りますけどね。受け取れないので」と桜田さんは笑って話されていました。

お礼の気持ちをいただけることが嬉しい反面、介護現場には直接物を受け取れないルールがあるそうです。その際は丁寧にお断りされると教えてくれました。

「助け合いが当たり前」の環境で無理なく働ける

桜田さんが働くデイサービスの現場では、スタッフが助け合って介護サービスを提供しているそうです。

「デイサービスでは1日のスケジュールが決まっていて、その通りに進行することが大切です。ですが、利用者が多かったり職員が少なかったりして、スケジュールが回らないときがあるんです。そんなときこそ、チームで助け合います」

「たとえば、入浴の希望者が多いときは、デイルームにいる職員にヘルプを頼む。脱衣場の人員を手厚くすることで、入浴業務を効率化させるんです」

桜田さんによると、デイサービスのレクリエーションを考える際も、職員同士で話し合いをするそうです。

「利用者に楽しんで参加してもらうにはどうしたらいいか、チームで検討することもあります。ミーティングでアイデアを出し合ったり企画を立てたりですね。苦労して企画したレクリエーションが、利用者に喜んでもらえると大きなやりがいを感じます

介護現場では、思うようにいかないことも多いそうですが、職員同士が連携して良い介護サービスを提供できたとき、大きなやりがいを共有できるそうです。

年長者から学びがある

介護事業所を主に利用する方は、65歳以上で要介護または要支援状態の高齢者です。
桜田さんも、デイサービスの現場で年長者とコミュニケーションの機会を多く持つそうです。

「自分より何十年も長生きしている方とお話すると、学んだり気づいたりすることが沢山あります。仕事への姿勢や考え方、プライベートなら家族との付き合い方など…。その方の経験を基に教えていただけるんです」

「ほかにも、『ほら、あの人転びそうだよ。助けてあげな』と声をかけてもらうことがあります。気配りの仕方や声のかけ方などを利用者さんから教わることも多いんです」と桜田さんは話してくださいました。

キャリアアップがしやすい

桜田さんは介護職に転職してから「キャリアアップがしやすい」「自分でも上に上がっていける」と感じたそうです。

「私は、介護職に転職する前に初任者研修(※1)を修了したのですが、次は実務者研修(※2)を修了したいと考えています。将来は介護福祉士を取得するつもりです。」
※1介護職として基礎的な知識や技術を習得するための研修。正式名称は介護職員初任者研修
※2初任者研修よりも高度な知識や技術を習得するための研修。正式名称は介護福祉士実務者研修

介護福祉士は、介護系の資格の中で唯一の国家資格です。
介護福祉士を取得すると、資格手当が厚くなったり将来の役職者への道が開けたりと、大きなメリットがあると桜田さんは言います。

さらに、桜田さんはこう教えてくれました。

「少し専門的な話になりますが、介護福祉士の資格を取ることで、事業所にとっても加算(※3)などの面でメリットがあります。取得した資格は、自身の強みになるだけでなく法人に重宝されやすくなる要因だと思います」
※3基本報酬に上乗せできる料金。介護施設の売上アップに欠かせないため、多くの施設が加算を取得している

価値観の合う同僚との出会い

桜田さんは現在の職場で価値観の合う同僚に出会ったそうです。

「デイサービスでは、いつも同じメンバーで業務にあたります。その中で介護の考え方が合う同僚と出会えました」

また、仕事の考え方は違っても趣味が合う同僚など色々な人に出会えたそうです。

「前職では、営業成績をめぐって、同僚同士で“足の引っ張り合い”がありました。けど、介護現場ではそうした競争がありません。長く付き合っていけそうな友人もできました」

介護現場では、スタッフ同士が協力して介護サービスを提供しています。
同じ時間を過ごす時間が長いからこそ、素敵な出会いがあるのかもしれませんね。

まとめ

今回は、未経験から介護職へ転職した桜田さんの体験談を基に、介護職の魅力とやりがいを紹介しました。

介護経験のない方にとって、介護職は未知の部分が多いでしょう。

しかし、介護未経験から一歩を踏み出した人が、今では介護現場で活躍しています。桜田さんのように介護未経験の人が、現在は介護職の魅力とやりがいを語ってくれているのです。「未経験でも介護職としてやっていけるかな?」と不安な気持ちで一歩を踏み出したその先には、やりがいと素敵な出会いがきっと待っています。

ここまで、介護職のやりがいやメリットをご覧になって、どのような感想を持たれたでしょうか?

次回の後編では、未経験から介護職に就いた桜田さんだからこそ気づいた「難しさ」や「注意点」、そして介護業界の将来性をお話しします。
引き続き、お読みいただけたら嬉しいです。

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