【体験談】認知症ケアのやりがい・大変さ|30代介護福祉士が語る成長のコツ

「難しそう」「大変そう」といったイメージを抱く方も多い「認知症ケア」。
特に現場経験の少ない方にとっては不安も大きい分野です。

これから高齢者施設の介護職を目指す方の中には、「認知症の方を上手に介護できるのかな?」と不安を感じている方もいらっしゃるのでしょう。

一方で、認知症ケアにやりがいを感じながら毎日働いている介護職の方もいます。

今回は、認知症ケアを経験した松本さん(仮名)に、認知症ケアのやりがいと大変さ、そして負担を軽くする工夫を伺いました。

松本さん(仮名)34歳
認知症対応型デイサービスセンターの介護職員

認知症ケアの現場で感じた3つのやりがい

認知症ケアの現場で働く松本さんは、「利用者との関わり」「利用者家族との関わり」「職場の仲間との関わり」の中にやりがいを見出したそうです。

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利用者が心を開いてくれる瞬間

松本さんと男性利用者Kさんとのエピソードを紹介します。

Kさんの基本情報

  • 要介護3
  • 70代後半
  • ADLは自立
  • 強い帰宅願望あり
  • 脳血管性認知症を発症後、短期記憶に著しい障害あり
松本さん
Kさんは、認知症により短期記憶に障害を持つ方です。デイサービスに来るたびに「なんで俺はここにいるんだ?」「どうやって来たんだ?」と職員に質問されます。サービスの途中で「もう帰る!」と声を荒らげることもありました。

松本さんはそんなKさんの担当職員でした。松本さんはKさんが安心して過ごせるように、Kさんの質問に都度答えたりKさんの好きな囲碁の相手をしたりしたそうです。

松本さん
ある日、遅れて出勤した僕をKさんが見つけると、「おお!お前か。遅かったな。どうした?」と話しかけてきました。
職員の名前を覚えられず、いつも不安な顔を見せていたKさんが笑顔で過ごせるようになったんです。その瞬間、僕は自分の頑張りが報われたと感じました。

家族からの感謝の言葉

男性利用者Kさんの奥さんから感謝の言葉をもらった際にも、松本さんは自分の仕事にやりがいを感じたと言います。

松本さん
Kさんを家までお送りしたとき、奥様から、「ウチの夫を受け入れてくれて、本当に感謝しています。」と感謝の言葉をいただきました。

松本さんによると、Kさんは他の利用者さんとトラブルを起こすことがあり、複数の事業所で利用を断られていたそうです。

松本さん
あとでケアマネジャーの方から聞いたのですが、私たちの事業所に通うことで、Kさんと奥様は自宅での暮らしを続ける目途が立ったそうです。
介護職としての頑張りが、在宅介護を希望する本人や家族の役に立てたことにも大きなやりがいを感じました

介護現場で生まれるチームワーク

認知症ケアの現場では、職員同士が協力して利用者のケアにあたっていると松本さんは言います。

松本さん
たとえば、僕が利用者の介護拒否にあったとき、別の職員が対応するとうまくケースがあります。「今すぐ家に帰してください!」と興奮した利用者がいたら、複数の職員が協力してその方が落ち着けるように対応するんです。

職員が助け合うことで現場がまわる。自分の存在が現場の助けになることも、認知症ケアのやりがいだと松本さんは話してくれました。

認知症ケアの大変さと負担を軽くする方法

ここまで、松本さんから教わった認知症ケアのやりがいを紹介してきました。ここからは、松本さんが認知症ケアで大変だと感じたエピソードと負担を軽くする方法を紹介します。

意思疎通が難しい

松本さんは、認知症の利用者との意思疎通に苦労したと言います。

松本さん
最初に戸惑ったのは、一般的な対応が通じないケースでした。
「お食事の時間なので、席に移動しましょう」「これからお風呂なので、服を脱ぎましょう」と伝えても利用者に理解してもらえない。これは本当に困りました…。

松本さんによると、認知症によって意思疎通がうまくいかないケースがあるそうです。どのように対処したか尋ねると、以下のように答えてくれました。

松本さん
介護職が慌てると利用者は不安になってしまいます。そこで、“利用者と同じ目線でゆっくり話をする”ことを心がけました。
余裕のある態度で接すると、相手は安心して耳を傾けてくれるようになります
ほかにも、聞き取りやすくて理解しやすい単語を使いました。コミュニケーションを工夫すると、相手も自分も楽になれますよ。

同じ質問やエピソードを繰り返し聞かされる

認知症ケアの大変さについて、松本さんは以下のように教えてくれました。

松本さん
「私はいつ家に帰れるの?」と女性利用者さんから何度も質問されたときはつらかったです。帰る時間を伝えると、一旦納得されるのですが、1分後には「いつ帰れるの?」と同じ質問が飛んできます。さっき答えたじゃないかと思うのですが、口には出せません…。

松本さんによると、認知症で記憶の保持が難しい方の中に、同じ質問やエピソードを繰り返す方もいるそうです。

どのように対処したのかと聞くと、以下のように答えてくれました。

松本さん
洗濯物畳みやテーブル拭きなどの簡単な家事仕事をお任せしました。目の前の作業に意識を向けることで、不安な気持ちが落ち着くようです。

暴力や暴言にあうことも

松本さんは、男性利用者Yさんから暴力・暴言を受けたと言います。

松本さん
Yさんは、私たちの施設に来るまで何ヶ月もお風呂に入っていない方でした。私たちがお風呂にお誘いすると、「昨日、家で入ったから必要ない!」と職員を怒鳴ります。本人は家でお風呂に入ったと思っていますが、事実は違います。
そこで職員が入浴を強く促すと、激高して杖で叩いてきました。杖を遠ざけたら職員の手に噛みつこうとすることもありましたね…。

続けて、松本さんはそのときの対処法も教えてくれました。

松本さん
僕たちが取り組んだのは、Yさんと信頼関係を作るための関わりです。レクや食事、会話などの入浴以外のコミュニケーションに力を入れました。
そんな努力が実って、約1カ月後に入浴してくれました。それを聞いた別の職員や家族、ケアマネジャーさんたちの喜ぶ姿は今でも覚えています。

認知症ケアで大切なことは「利用者の気持ちを考えること」

最後に、認知症ケアで大切だと思うことは何ですか?と松本さんに質問すると、以下のように答えてくれました。

松本さん
利用者さんの気持ちを考えることだと思います。思うように考えがまとまらなかったり物事を思い出せなかったりすると、誰でも焦ったり不安になったりしますよね。そうした不安な気持ちが利用者さんにもあると思って接することが大切だと思います。相手の気持ちを考えることで、介護側に余裕が生まれることもあります。

まとめ

今回は、認知症ケアを実践した松本さんに、認知症ケアのやりがいや大変さをお伺いしました。

認知症ケアと聞くと、大変なイメージを思い浮かべる方も多いかもしれません。確かに介護の現場では、認知症の方とのコミュニケーションに苦労する介護職も多いようです。

しかし、松本さんのお話からもわかるように、利用者さんの“気持ち”に寄り添いながら積み重ねた関わりは、いつか「変化」という形で介護職にも返ってきます。

  • 利用者が心を開いてくれた瞬間
  • 家族からの感謝の言葉
  • チームで支えあう安心感

こうした体験を通じて、松本さんは認知症ケアの仕事にやりがいを感じるようになりました。

認知症にはいくつもの種類があり、利用者さんの性格や価値観は人によって違うでしょう。認知症ケアでは対応が難しいケースも少なくないようです。だからこそ、小さな成功体験が大きな自信につながるのかもしれませんね。

本記事が、これから認知症ケアを実践する方、そして認知症ケアに興味のある方の参考になれば幸いです。

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