看護師8年目で転職した田中さん。前回のインタビューでは、新卒から続けた職場を「辞めたくなかったけど、妊活のことも考え転職を決意した。」と話してくださいました。
前回のインタビューはこちら
今回は、転職後の妊活や妊娠、職場の反応について実体験をお話しいただきます。
「転職してすぐ妊娠してもいいの?」「妊娠希望について転職先に伝えるべき?」そんな不安を抱える方へ、実際の体験を通じたヒントをまとめました。
目次
転職先の選び方|クリニックと病院どちらがいい?
インタビュアー
前回に引き続き今回もよろしくお願いします。現在お子さんがお二人いらっしゃるということで、転職先での妊活がうまくいったんですね。
田中さん
ありがとうございます。実際には転職して2年目に入りすぐ妊娠しました。1年間働いたので手当もしっかりもらえましたし、大変なこともありましたけどなんとかやっています。
インタビュアー
転職先での妊娠についてもご心配されていましたもんね。大変だったことについても今回お話しいただけると嬉しいです。
クリニックを選ばなかった理由
インタビュアー
ご自身のキャリアのことでも悩まれていましたが、転職先はどのように決めたかを教えてもらえますか。
田中さん
クリニックか病院かで迷い、結果大きい規模の病院に転職しました。迷った理由はいくつかありますが、病院を選んだのは・・
- クリニックは看護師の人数が限られているから転職してすぐの妊娠や育児休暇の期間などに配慮がされにくいのではと感じた
- クリニックの少ない人数で嫌な看護師がいたら逃げ場がないから
クリニックで働いた経験がないので、あくまで想像の範囲なんですけどね。
転職前はスタッフ数も多い大学病院で働いていたので、同じく大きい規模の病院なら入職してすぐ妊娠したスタッフへの対応もある程度経験しているだろうとも思いました。
実際、大学病院で勤めていた時には、妊婦や保育園にお子さんを預けている同僚が急遽休まないといけないとしても、勤務交代やスタッフが欠けた状態でも協力して業務を回すことができていました。
妊娠中の予期せぬトラブルが合った際、勤務交代できるスタッフ数がいるのも病院を選んだ理由です。
転職の際に大事にすべきこと
インタビュアー
クリニックと病院を比較して選んだんですね。他にも転職活動で田中さんからアドバイスはありますか。
田中さん
転職は人によって背景も事情も違いますし、転職先によっては選ぶ余地もない場合もあると思います。そのような中、私が転職活動で大切にしたことは「自分が何を大切にしたいか」を常に念頭におくことでした。
今回私が大切にしたことは・・
- 妊娠までのストレスを最小限にする
- 妊娠中に無理をしない働き方ができるか
- もしも授からなかった時どういう働き方をしたいか
この3つを自分の中の条件にしました。
妊娠希望について伝えるのが正解?
インタビュアー
妊活を第一に転職活動されていたんですね。
田中さん
そうですね。それに面接でも「結婚したばかりだけど子どものことは考えているのか」と質問を受け、
「子どもは授かったら嬉しいと思っています。ですが、まずは業務に慣れ、いち早く貢献できるよう努めます」
と答えました。聞かれていないので、あえて具体的な時期については言及せず、聞かれたことに対して答える程度に留めました。
面接の際、嘘はいけませんが正直に答えすぎるのもどうかなと思っています。
病院側も「長く続けてもらえるか」「貢献してもらえるか」などを面接で判断したいと思うので、決して妊娠してその後続けるかは分かりませんといった感じに伝わらないように配慮しました。
ちょっとした面接のポイントですかね。
それに、授かり婚の人はいつ妊娠するかわからないし、万が一すぐに妊娠しても責められる筋合いはないくらいに思っていて”自分の人生だから”と強気でした。笑
インタビュアー
面接では嘘は言ってはいけないけど、どのように伝えるかがポイントですね。転職後はどうでしたか。
田中さん
配属されて初日、師長から「いつでも妊娠していいんだからね」と言われ、これは一種のパワハラかとも思いました。
他のスタッフからも「結婚したばっかりなんでしょ?いつでも妊娠して大丈夫だよ!私も入って3ヶ月くらいで妊娠したの」など声をかけられたこともありました。
はじめは正直、どう受け止めていいか分からず、素直に喜んでいいのかすら不安になりました。まだ信頼関係を築けていないですし、いい人なのかも分からなかったので。笑
すぐに妊娠できたらとも思ったんですけど、一通りの業務はこなせるようになってから妊活を始めようという気持ちに変わりはありませんでした。
実際には4月から転職先で働き始め、10月くらいから妊活開始、12月に一度妊娠したけど流産、その後翌年5月に妊娠がわかり無事出産に至りました。
転職してすぐ妊娠した時に気をつけたいこと
インタビュアー
色々なお経験をされたんですね、大変な時期もあったかと思いますが、転職後すぐ妊娠した場合どのような点に注意した方がいいでしょうか。
田中さん
まずは「赤ちゃんを守れるのは自分だけ」と強い意志を持つことです。
妊娠報告だけでなく希望も伝える
実際に師長には妊娠報告だけでなく、具体的な業務内容についても相談すべきだと思っています。
「残業」「夜勤」「力を使うケア」など……。
上司によっては、言われないとわからない、言わないということは問題ないと認識されることが多いのが現状です。
私の場合は師長と主任にすぐ報告、師長からはみんなにも言うの?と聞かれたので「つわりが始まるくらいまでは言わないつもり」と回答しました。
安定期まで待たずに、頼れる人には相談しておこう
インタビュアー
いつ妊娠報告をしたらいいか分からない、安定期に入って報告したといった声もよく聞かれますが、田中さんは妊娠・出産を経験されどう思われますか。
田中さん
実際に妊娠を経験し思ったことは、私の場合「妊娠初期が一番辛い」でした。
私の場合は、とにかくずっと気持ち悪くて吐き続けてすぐまわりに気づかれました。笑
つわりは嘔気・嘔吐だけでなく、倦怠感や強い眠気も症状に入ります。
つわりが軽い人も少し大袈裟くらいに辛そうにしてもいいとも思っています。笑
まわりから心配してもらってたくさん声をかけてもらい、でも一生懸命頑張っている姿を見せれば応援してもらいやすいと思いますよ。
転職後すぐ妊娠して嫌な思いはしなかった?
インタビュアー
産休に入る時、仲間から「妊娠中の体でよく頑張ったね」と言ってもらえたらきっと復帰も前向きに考えられますよね。そんな働き方を田中さんはされてきたんですね。
田中さん
実際は、一人目の妊娠ではつわりは酷かったものの、産休まで夜勤も月5回フルで入っていたくらい元気な妊婦でした。日勤後は上り坂を1時間半くらい歩いていました。笑
ただ、二人目の妊娠では入院するほどではないものの切迫早産の状態と言われ、「母性健康管理指導事項連絡カード」を医師に書いてもらったこともありました。
事情を説明してカードを師長に渡した際「へ〜紙自体ははじめてみたわ。これって休まなきゃいけないってこと?何日からいつまで休むの?もう帰っていいから」とかなりきつめに言われたのを覚えています。
このまま辞めようかと思うくらい不愉快でした。笑
数日間モヤモヤしましたが、実際休みに入ったらのんびり過ごせてお腹の張りや痛みもなくなったので良かったです。
嫌な顔をされても、子どものために言うことは言う、というマインドで乗り越えました。
師長以外はみんな心配する声をかけてくれ「今まで頑張りすぎだから少しくらい休んできて」とも言ってもらえました。
インタビュアー
きついことも言われてしまったんですね。そのような嫌な思いもされた田中さんから何かアドバイスはありますか。
田中さん
転職後すぐに妊娠したとしても、まわりから応援や協力を得るために、日々の姿勢も大切だと感じています。
たとえば・・
- 先輩には「今日もたくさん助けてくれてありがとうございます」
- 後輩には「〇〇がすごく上手になったね、助けられたよ」
他にも、「できる業務は積極的に」「心配させない一言を添える」など。
先輩・後輩も、座っていた方がいいのではないかと配慮してくれることが多いのですが、私の場合は動いていた方が良かったです。なので、たとえば検体を出しに行く時は「健康のために出しにいかせてください」と伝えていました。
結局、一番大事なことは”感謝を忘れない“ことだと思います。
これは相手だけじゃなく、自分を選んできてくれた赤ちゃんと、頑張っている自分にも向けてあげてほしいなと思います。
まとめ|新人看護師でつらいと悩んだら頼れる先輩や上司に相談しよう
転職後の人間関係がまだ築けていない時期の妊娠中の仕事の姿勢について、田中さんのお話からよくわかりました。
職場によっては、妊娠への理解がまだまだ乏しかったり、妊娠経験あるスタッフが少ないケースもあるはずです。
お腹の中の赤ちゃんを第一に、
・自分の希望や状況を誠実に伝える
・妊娠中も感謝と配慮を忘れない姿勢を見せる
・小さな信頼を積み重ねる
など、自分自身の働きかけ次第で周囲の理解やサポートを得られやすくなります。
なかなか、感謝を伝えるのは難しい人もいるかもしれませんが、少し勇気を出すだけで、状況が変わることもあると思います。
田中さんの体験が、転職後にすぐ妊娠を希望する方や予期せず妊娠された方のヒントになれば嬉しく思います。



