「新卒でクリニックに就職したいけど、友人はみんな病院に就職するから不安…」「新卒でクリニックに就職して、転職したいときに転職先は見つかるのかな?」と考えている方もいらっしゃるでしょう。
今回は新卒で整形外科のクリニックに入職した、柴崎さん(仮名)への取材をもとに、新卒でクリニックに就職するメリット・デメリットやクリニックを辞めた理由、転職先の探し方をご紹介します。
柴崎さん(仮名)
この記事を読むことで、新卒でクリニックに就職することへの不安感やギャップが少なくなり、クリニックに就職した後も自信を持って看護業務に専念できるようになるでしょう。
目次
新卒でクリニックに就職するメリット
柴崎さんが感じた新卒でクリニックに就職するメリットは以下のとおりです。
- 就職したクリニックの専門知識が身につく
- 残業が少ない
- お給料が高い
- 生活リズムが崩れない
- 先輩看護師と仲良くなれる
新卒でクリニックに就職する人は少ないですが、メリットはたくさんあります。
柴崎さんの就職前のイメージと就職後のリアルをご紹介しながら、ひとつずつ解説します。
就職したクリニックの専門知識が身につく
専門知識についてのイメージはクリニックには診療科目が決まっているため、就職した科目の知識が深く身につくと考えていたそうです。
クリニックの場合は決められた診療科目のみの患者様しか来院しないため、同じような症状の方が1日に何回も来院することがあります。
柴崎さんの場合は整形外科のクリニックで働いていたため、以下のような予想ができるようになりました。
- 膝の内側に痛みがあるということは、鵞足炎が考えられる
- 手指のDIP関節に水泡があるということは、へバーデン結節の可能性がある
このような考えができるようになるには、専門性を高める必要があるでしょう。
病院に就職した場合「外科の病棟にいても、内科の患者様が入院してきた」という話を聞くことが多いです。また病院の場合は入院する必要性がなくなり次第、退院していきます。
クリニックは病院とはちがい、患者様の生活に寄り添った治療を行なうため、疾患が治っていく過程までの勉強もできます。
残業が少ない
残業へのイメージは、就職するクリニックによりますが、病院と比べると残業が少ないことが多いと考えいていたそうです。
病院の場合、担当する患者様の情報収集のために前残業をする必要がありますが、柴崎さんが働いていたクリニックのスタッフは就業時間10分前に出勤していました。
月の残業時間は1時間弱で、基本的に定時の18時30分には退勤できていました。
新卒で働くときは手技の方法や疾患について、帰宅してから勉強しないといけないことがたくさんあります。
さらに、慣れない環境で働くことで疲れがたまります。
定時で退勤することで、勉強や休息の時間をつくることができ、翌日の仕事のモチベーションも上がるでしょう。
お給料が高い
お給料のイメージでは、クリニックは働く時間が日勤のみが多く、お給料は病院で夜勤をしながら働いている看護師と同じか、それ以上にもらえるところが多いと考えていたそうです。
実際、柴崎さんは、新卒でクリニックに就職し、35万円/月のお給料をもらっていました。
新卒で病院に就職した友人に話を聞くと、同じ頃にもらっていたお給料は25万円/月ほどだったそうです。
病院の場合、昇給すればお給料は増えていきますが、新卒で入職したばかりの頃は「思っていたよりお給料が少なかった」と話す看護師が多いです。
一方クリニックでは、昇給制がないことが多いですが、最初から高いお給料をもらいながら働けます。
お給料が高いことで、働くことや勉強することへのモチベーションが上がる方にとっては、より看護師としてレベルアップしていく環境としてもいいでしょう。
生活リズムが崩れない
生活リズムのイメージは、クリニックは病院とは違い、全員が朝出勤して夕方に退勤するため、夜勤はなく、出勤曜日が決まっているので、生活リズムが崩れにくいと考えていたそうです。
柴崎さんが働いていた職場は、月・火・水・金・土が出勤日でした。
出勤する曜日が決まっているため、生活リズムが崩れないことはもちろん、先の予定も立てやすくなり、プライベートも充実します。
夜はしっかり睡眠をとりたい人や子供がいる人などは、クリニックがおすすめでしょう。
先輩看護師と仲良くなれる
人間関係については、クリニックは看護師の人数が少ないため、看護師同士の仲がとても深くなる印象があります。
先輩看護師と仲良くなることで、仕事について悩んでいることがあればすぐに相談できるようになると考えていました。
柴崎さんの場合、実際に「このクリニックでは直針で採血をしているけど、翼状針で採血をするやり方もあるよ」「医師が常駐していない施設で働いていた時は、看護師が判断しないといけないことがたくさんあった」などと教えてくれていました。
クリニックに就職している看護師は、病院や施設などを経験した人が多いため、看護師としての働き方や、看護技術など勉強になることが多いと感じたそうです。
先輩看護師と話していると、自分が体験していないことでも知識が深まるため、手技や今後の働き方の参考になることが多いでしょう。
新卒でクリニックに就職するデメリット
柴崎さんが感じた新卒でクリニックに就職するデメリットは以下のとおりです。
実際に先輩看護師が感じたデメリットを知ったうえで、クリニックか病院どちらに就職するのかを考えてみるのはいかがでしょうか。
幅広い知識が身につかない
柴崎さんは新卒でクリニックに就職した為、そのクリニックの診療科目の知識しか身につきませんでした。
柴崎さんが就職したクリニックは、小さなクリニックだった為、設備が整っていなく、特別な検査や治療などは近くの病院へ紹介することが多いかったそうです。手技についても、就職したクリニックが行なっている手技しか学べませんでした。
病院だと別の病棟に手伝いに行ったり、別の病棟のベッドがいっぱいの場合は、別の診療科目の患者様が来たりして、ほかの科の疾患とも触れ合えるのではないかと考えたようです。
幅広い知識が身に付かないことで、看護師としての自信がなくなったり、転職する際に不利になってしまう可能性があるかもしれません。
同期がいない
新卒の看護師はほとんどが病院に就職します。クリニックに就職する人は少ないため、同期がいないことが多いです。
柴崎さんは新卒で病院に就職した友人たちが、同期の人たちと一緒に頑張っている姿を見ると寂しくなる時があったようです。
しかし、同期がいないからこそ先輩看護師との関係性を深めることができると考えました。
同じレベル感で一緒に頑張る同期がいないことで、心細くなることもあるかもしれませんが、「先輩看護師から手技や知識をたくさん吸収して成長していく」と割り切る気持ちが大切だと柴崎さんはおっしゃっていました。
人間関係が難しい
柴崎さんが就職したクリニックはスタッフの人数が少ないため、苦手な人がいたとしても、その人と毎日一緒に出勤しないといけません。
柴崎さんは新卒でクリニックに就職しましたが、苦手な先輩看護師と仕事をしており、仕事の相談がしにくく、スキルがなかなか上がらなかったそうです。
まだまだ看護師業界は女性が多いため、クリニックのように限られたスタッフの中で人間関係を上手く構築することがむずかしいこともあります。
病院の場合は、看護師がたくさんいること、またシフト制が多いため、苦手な人と毎日一緒というわけではありません。
クリニックと比べると病院は、人数が多いため気が合う人を見つけられたり、同期がいたり、と人間関係をうまく構築しやすいのではないかと、柴崎さんは考えたようです。
クリニックを辞めた2つの理由
柴崎さんがクリニックを辞めた2つの理由は以下のとおりです。
- 人間関係がよくなかった
- 幅広い看護技術を学びたかった
柴崎さんがやめた理由を詳しく紹介します。
人間関係がよくなかった
柴崎さんの場合、他の看護師との人間関係をうまく築けなかったことが、クリニックを辞める理由の1つとなりました。
柴崎さんが新卒でクリニックに就職して3ヶ月が経った頃、病棟から転職してきたベテラン看護師へクリニックの仕事を教えることになりました。
ベテラン看護師は38歳、柴崎さんは21歳。
柴崎さんの方が17歳も年下で、かつ看護師歴3ヶ月の私に教えられることが気に入らなかったのか、そのベテラン看護師に冷たい態度をとられてしまうようになりました。
正社員が柴崎さんと、そのベテラン看護師2人だったため、毎日一緒の勤務でした。
毎日のことですからストレスもたまり、夜も眠れなくなるようになりました。
周りのスタッフに相談しようと思いましたが少ないスタッフで切り盛りしている中「私が話したことが原因で、クリニック内が嫌な雰囲気になったらどうしよう」と、周りにも相談できなかったのです。
幅広い看護技術を学びたかった
柴崎さんが新卒で就職したクリニックでの看護師の業務は、採血と筋肉注射のみでした。
他にも仕事はありますが、看護師資格をもっていなくてもできるようなものが多かったそうです。
病院に就職した同じ看護師の友人たちと会った際に、点滴や吸引をしたり、心電図を付けたり、たくさんのことができるようになっていることを知り、自分とのギャップを感じ不安と焦りを感じ始めます。
柴崎さんは、「この先の看護師人生、採血と筋肉注射だけで終わって良いのか…」と考えたところ、やはりもう少し幅広い看護技術を学んでみたいと考え、クリニック以外の環境で働いてみたいと思うようになりました。
クリニックに就職した後の転職先を探す3つのポイント
新卒でクリニックに就職した後の転職先を探すポイントは以下のとおりです。
職場の雰囲気が良さそうなところ
教育制度が整っている
柴崎さんが満足のいく転職をした際に気を付けたポイントを確認することで、新卒でクリニックに就職した看護師でも、転職後の職場に満足して働けるようになるでしょう。
では、ひとつずつ解説ていきます。
未経験OKの求人
新卒で就職したクリニックでの経験にもよりますが、柴崎さんは「未経験OK」の求人を探せば問題なく転職できるのではないかと考えました。
クリニックでも最低限の技術は身につけられ、さらに就職したクリニックの診療科目の知識はかなりついています。
ハードルを下げて「未経験OK」の求人を探した結果、応募先の方から「知識がある人が入ってきてくれた」と逆に喜んでくれたそうです。
職場の雰囲気が良さそうなところ
柴崎さんのように新卒でクリニックに就職している人は珍しいため、「この看護師使えないな…」と転職先で思われてしまうこともあるかもしれません。
職場の雰囲気が良いところだと、優しく受け入れてくれ、仕事を教えてくれることもあるでは、と柴崎さんは考えました。
柴崎さんは、職場の雰囲気を確認するために、転職したいところに事前に見学をさせてもらったり、患者として受診したりしたそうです。
ただし、患者として受診する際は、本当に体調が悪く、そのクリニックで診てもらいたいときのみにしましょう。
とくに体調は悪くない状態で受診すると、スタッフからすると「どうして受診したんだろう」と疑問に思われてしまうからです。
柴崎さんが受診する際や見学をさせてもらう際には以下のポイントを意識しました。
患者様への接し方
院長の話し方
柴崎さんはスタッフ同士が話している様子を見て、スタッフ間での会話の雰囲気を確認したそうです。
患者様への接し方を確認した理由は、その応対する姿勢から尊敬できる・目標とできそうな看護師がいるのかを知るためです。
柴崎さんは、尊敬できそうな看護師がいるのか確認しておき、就職してからその看護師を見習って仕事をすることで、成長できる可能性が高いのではないかと考えたようです。
転職先がクリニックの場合、看護師と院長(医師)との距離が近いため、院長(医師)がどのような人なのかも見ておくといいそうです。
看護師や他のスタッフに対して怒鳴っていたり、態度が悪かったりしていたら、就職しても長く続かないと思ったようです。
転職サイトに登録すると、担当エージェントが気になっているところの雰囲気を教えてくれることもあるのでおすすめです。
教育体制が整っているところ
柴崎さんは新卒でクリニックに就職しているため、クリニックの診療科目の知識は身についていますが、まだまだ看護技術は未熟なレベルです。そのため、教育体制が整っているところを見つけるとよいのではないかと考えたそうです。
求人情報を見るときには下記の項目を確認するとよいと話していました。
看護師の人数が多いか
プリセプター制度とは新人看護師に教える係として1人先輩看護師がついてくれることです。
プリセプターがいることで、分からないことがあればすぐに確認することができます。
もしプリセプター制度がなくても看護師の人数が多いと、相談できる看護師がいることが多いため、看護師人数も一緒に確認しておくといいいです。
まとめ
柴崎さんが思う新卒でクリニックに就職するメリットは、以下のとおりです。
- 就職したクリニックの専門知識が身につく
- 残業が少ない
- お給料が高い
- 生活リズムが崩れない
- 先輩看護師と仲良くなれる
新卒でクリニックに就職するからこそ得られるメリットはたくさんあると、柴崎さんは話していました。
「新卒でクリニックに就職すると転職活動が大変そう…」と悩む方もきっと多いでしょう。
より満足できる転職先を見つけられるよう、この記事がお役に立てればと思います。



