中堅看護師として、委員会・係の業務や後輩指導を任されたことにより急激に業務量が増えたという中川さん。
残業が増え、休日出勤も加わったことによりさらに負担を感じるように・・・
プライベートの時間はほとんどなくなり、「もう辞めたい」と本気で転職を考えるほど追い詰められました。
それでも現在は同じ職場で看護師を続けています。
本記事では、中川さんが残業や休日出勤でストレスを感じながらも、辞めずに続けられた理由や、どのように状況を変えたかについてインタビュー形式で紹介します。

目次
「もう辞めたい」と本気で思った、看護師5年目の葛藤
インタビュアー
本日は、看護師5年目の時に中川さんが、「辞めたい」と思ったエピソードやどのように乗り越えたかをインタビューさせていただきます。はじめに、簡単に自己紹介をお願いします。
中川さん
よろしくお願いします。現在は6年目で、日々の看護ケアに加え、中堅看護師として委員会や係の業務を頑張っています。
インタビュアー
6年目ということは、1年前がちょうど悩んでいた時期にあたりますね。「辞めたい」と思った理由をお聞かせくださいますか。
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委員会・係の仕事で残業が増えた
中川さん
私の職場では、2年目から病棟の係を、3年目から委員会業務を担うことになっています。2〜4年目も係や委員会の業務は行なっていましたが、5年目との違いは「リーダー役割」が増えたことでした。
5年目では記録委員と2年目メンターリーダーを任されました。
記録委員として
・パス新規作成・見直し
・看護計画作新規作成・見直し
を行いますが、新規パスの作成では医師とのやり取りが必要です。
意見を取りまとめてくれる医師は決まっていたものの、医師同士のしがらみもありさまざまな医師が私に直接意見を言うことも。
結局、医師の意見もまとめる必要があり、負担が大きいなと感じていました。
また、新規パスは作成を業者にお願いできるにも関わらず、修正が必要になった際に色々めんどくさいといった理由で、エクセルで作ってほしいと頼まれました……。
インタビュアー
大変でしたね。エクセルで一から作るって……。時間もかかりましたよね。
中川さん
はい。苦笑
パスも大変でしたし、新しい看護計画の作成も時間を割く必要があったので大変でした。
私自身、「新人看護師でも理解でき行動できる文章」を念頭に丁寧に作りたいとこだわった部分もありました。
既存の看護計画についても記載内容が抽象的で、不足が多くほぼ一から作り直すのと変わらない状態でした。
全て上半期で完成系まで持っていく目標だったので、残業しないと終わらなかったです。
インタビュアー
新人看護師をはじめ、若手の看護師が働きやすいように丁寧に作り込まれたんですね。
中川さん
上半期に完成系まで出来上がり、委員会業務に関しては、下半期はそこまで負担になることなく過ごせました。
リーダー的役割で休日出勤も増加
インタビュアー
「委員会業務は」ということは、はじめにおっしゃっていた”メンターのリーダー”は大変だったのでしょうか。
中川さん
メンター自体は2年目からやらせてもらっていましたが、メンターの中でリーダーをするのは初めての経験でした。
リーダーになって何が変わるかというと・・
- メンター間の意見をまとめる
-
師長、主任、との定例ミーティング
- メンター以外の先輩から「これどうなってるの?どういう指導してるの?」など指摘を受ける
自分が一番年下だったため、定例ミーティングは主任・師長が日勤の日に設定するとどうしても自分が夜勤明け・休みの日になってしまいました。
メンター間の話し合いも、同じくメンターの中で私の年が一番下だったので先輩の勤務に合わせていました。
中でも、定例ミーティングは気が重く、負担に感じる時間でしたね。
話は逸れる、愚痴は飛び交う、無駄な時間だと感じてしまい苦痛でした。
残業や休日に病棟にくることが多くなり、心が疲弊してしまい転職サイトに登録して情報収集をしていました。
インタビュアー
看護ケアだけでなく委員会や係の業務によって疲弊してしまったんですね。
疲弊してしまった中でも、今の職場で続けられた理由について聞かせていただけますか。
残業や休日出勤は当たり前の職場で続けるには
中川さん
残業や休日出勤は当たり前の職場で、入職当時からおかしいと思っていました。
例えばーー
- 多くの先輩が私服で病棟にいた、それも短時間ではなく数時間
- 委員会や係の仕事は、仕事後や休みの日にでてきてやるのが当たり前
- 先輩達は残業代も申請しない
残業代については、病棟内の問題ではないと思ったので看護部宛に匿名で「委員会や係活動で残業代がでないのはおかしい」と何人かで投書もしました。
インタビュアー
業務の一環でサービス残業は確かにおかしいですよね。残業代は出るようになったんですか。また、残業や休日出勤で他には何か行動されたんですか。
先輩達が行ってきたことを否定しない
中川さん
今年度に入り残業代を申請できるようになりましたが、先輩たちはまだ慣れないみたいです。
本当に転職しようかなと考えてもいたんですけど、今の職場好きなんですよね。先輩たちの患者さんに対するケアや声かけは本当に尊敬できます。
それに後輩たちもみんな素直で一生懸命頑張っている姿を見ると私も頑張ろうと思えます。
残業したくないと思う反面、中堅看護師はどこも一緒だろうとも思っていました。
残業の少ない病院よりかまだまだバリバリ働きたいなといった思いも、行動できた理由かなと。
他には、何も行動せず転職はしたくないと思いましたね。
状況をなんとか変えたいと思って、まず委員会や係の仕事を業務後にやることについて先輩達にヒアリングをしました。
残業代が出るならまだしも、先輩たちも好きで残っているわけではないと思いましたし、小さいお子さんがいるスタッフもいたので。
実際に、ヒアリングをした結果、「業務内にできれば委員会業務を行いたい」「業務内にやりたいと言い出せない」といった意見が多かったです。
まだ5年目でしたが、誰かが動かないと何も変わらないし、万が一反感が多すぎて変わらなければ辞めようと思っていました。笑
怖い主任へ勇気を出しての声かけ
インタビュアー
いざとなったら辞めるくらいの気持ちで行動されたんですね。ですが、ヒアリングだけでは状況は変わらないですよね。その後はどうされたのですか。
中川さん
今日は落ち着いてそうだなとか早めに記録も終えられそうだなと思った日は「記録全て終えたら係のことやってもいいですか」と先輩に聞いて実際にやっていました。
一つ懸念もあって……。
主任が2人いるんですけど、二人ともとにかく怖くてヒアリングができていなかったんです。
主任と同じ勤務の時は、機嫌が良さそうな日を狙って
「私、記録もうすぐ終わりそうです。先日主任が委員会で大変だっておっしゃっていましたが今できそうじゃないですか。」
と思い切って勇気を出して声をかけました。
すんなり「ありがとう」と受け入れてくれたので事なきを得ました。
インタビュアー
怖い先輩にも果敢に声かけをしていい方向に進んだのですね。
中川さん
はい。実際には声かけするときに他の先輩や後輩とシミュレーションをしました。笑
「今やっちゃってください!」「今されてはいかがですか」「委員会業務大変っておっしゃってましたけど……」など。
伝え方を間違えると全て水の泡になりますからね。
怖い主任だけでなく、先輩にも委員会や係の仕事抱えていませんかと声をかけ、業務で変われることがあれば積極的に変わったり手伝ったりしました。
後輩を巻き込む
中川さん
業務内に委員会や係の仕事をするにあたって、後輩達をうまく巻き込めたことが大きい思っています。
例えば後輩に対して、委員会や係がつくようになったら、今のままだと残業が増えたり休日出勤になったりする可能性が高いことを伝えたりしてました。
「絶対に嫌だ」と言っていました。笑
効率的に業務を行い、自分の記録まで全て終えたら先輩にできることがないか声かけを徹底するように取り組んでみようとアドバイスしました。
単に委員会業務をやるためだけでなく、協力体制を整えることはチームで働く上で大事だと思います。
後輩が動くことで、先輩から後輩への信頼感にもつながると思いました。
実際に先輩たちがどう思っているか聞いたり、後輩への関わり方など地道に取り組んだ結果、多くのスタッフが自分が抱えているものをオープンにし、協力的な姿勢が生まれたと感じています。
中堅看護師が乗り越えるにはチームワークが大切
インタビュアー
中川さんが主体的に動きながら、先輩・後輩を巻き込んで少しずつ状況を変えていったのがうまくいったポイントかもしれませんね。
中川さん
そうですね。じゃあ実際残業が減ったかと言われると、業務自体も忙しいので全て業務内にできているわけではありません。
ですが、「みんなで協力しよう」といったチーム力はさらに高まったと思います。
「残業・休日出勤前提」ではなくなったのは大きな変化かなと。
ただ、来年度は看護研究が回ってきます。
看護研究メンバーの中でもリーダーポジションになることがほぼ決定しているため、一難去ってまた一難・・
インタビュアー
リーダー役割がしばらく続きそうですね。今のチーム力なら乗り切れそうですか。
中川さん
先輩からの信頼感を得て、自分が後輩から慕われる先輩でいられれば、大変な時期があったとしてもチームみんなで乗り越えられるのではと思います。
インタビュアー
最後に、中堅看護師として同じように悩んでいる方に一言ありますか。
中川さん
中堅看護師になり、多くの業務を任せてもらえることが嬉しい一方で、キャパオーバーになり苦しい時期を過ごしている方も少なくないと思います。
苦しい時期を乗り越えるには、中堅看護師は後輩に寄り添うだけでなく、病棟全体を良くする視点を持つことが大切だと感じました。私の場合、その姿勢がチーム力を高め、自分の働きやすさにもつながりました。
まとめ|悩みながらも動いたから乗り越えられた
中堅看護師が直面する壁について中川さんにお話いただきました。
どの職場でも中堅になると任される業務が増え、プライベートとの両立に悩む看護師さんは多いはずです。
中には職場の慣習に疑問を感じても、「今までこうやってきたから」と諦めてしまう人も多いでしょう。
中川さんのように「もう辞めたい」と思うほど追い詰められても、現状を変えるために少し勇気を出して行動した結果、チーム全体の協力体制が高まるケースもあると思います。
「声をかける勇気」「後輩を巻き込む工夫」によって職場環境が変わり、自分自身の働きやすさも向上するかもしれません。
中堅看護師としての責任が重くなる時期、残業や休日出勤に悩みながら頑張っていることと思います。中川さんの体験が、職場の慣習を変えたいと思っているみなさんの背中を押せるきっかけになれば嬉しく思います。


