健診看護師は大変?住民健診と学生健診で変わる仕事内容・役割・やりがい|体験談

近年、健診看護師という働き方に注目が集まっています。
夜勤がないためワークライフバランスを整えやすい、予防医療に携われる、という点から転職時に「健診」を選ぶ看護師が増えてきました。

一方で、健診の看護は病院勤務とは大きく異なります。
対象となるのは基本的に“健康な人”であり、受診者と関わる時間は非常に短いです。限られた時間の中で信頼関係を築き、気づきを与える関わりが求められます。

健康診断といっても、住民健診、人間ドック、企業健診、特定健診など、さまざまな種類があります。
健診に携わる看護師は対象者や担当業務で役割が大きく異なります。

今回話を聞かせていただいたのは、病院勤務を経て、健康診断の看護師へ転職した斉藤さん(仮名)です。
本記事では、健診の中でも「住民健診」と「学生健診」における特徴を比較しながら、看護師に求められることについて話を聞いていきます。

インタビュアー
今日はお時間をいただき、ありがとうございます。
斉藤さんは病院勤務から健診の看護師へと転職されたんですね。
まずは健診に興味を持ったきっかけを教えてください。

斉藤さん
私は長年病院で務めてきました。病院に来られる患者さんのほとんどは、体調がすぐれないからと病院に来られる方です。
そんな患者さんと接する中で、病気を未然に防ぐ予防医療に携われないかと思うようになり、健診の看護師という働き方に思い切って転職しました。
病気や障害がある方を対象とする病院看護師に対し、基本的には健康な方を対象とする健診の看護師は、病院とは違った難しさがありました。

対象者で変わる健康診断の看護師の役割

インタビュアー
対象が「病気の方」と「健康な方」という点でも、まったく違いますね。
今回はその中でも、住民健診と学生健診についてお話を伺いたいと思います。それぞれの特徴を教えてください。

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住民健診の看護師

斉藤さん
住民健診の対象は成人~高齢者の方と幅広く、主な業務としては、問診や身体測定、採血や尿検査などです。
その他に、補助スタッフと共に看護師も
誘導係をすることがあります。

正直、最初は“誘導は看護師じゃなくてもいいんじゃない?”と思いましたし、今までの経験を活かせるのかなと、疑問に思うこともありました。でも実際は、看護師の役割は誘導をしながら待機中の方の様子を見るということだったんです。

というのも、健康診断では検査のために長時間、飲食をしておらず、また早朝であるため、気分が悪くなる方もいらっしゃいます。
採血の後に気分が悪くなってしまう方も珍しくありません。
測定や問診を行っている看護師は、その業務に集中していますので、待っている方にまで目が行き届きません。そのため、待機中の方の観察係が必要なのです。
これは実際やってみないと見えてこなかった看護師の仕事でした。

インタビュアー
そんなところまで配慮されているんですね。技術的な特徴や工夫していることなどはありますか?

斉藤さん
そうですね、一回の健診で何十人、何百人の採血をするので、採血の技術が求められます。健康な方を対象ということもあり、病院で採血をする時より緊張しますし、プレッシャーも大きいです。
病棟のように信頼関係を作る時間もないため、その一瞬で評価されてしまう怖さもありました。

また、病院慣れしていない方も多いので、健診の場の雰囲気や、医療者の白衣姿に緊張する方もいらっしゃいます。
緊張から血圧が上がってしまったりする方もいらっしゃるので、なるべくリラックスして健診を受けられるように、声掛けの際も穏やかな口調を意識しています。

インタビュアー
それは健診ならではの特徴ですね。では次に、学生健診について教えてください。

診るのは体だけじゃない|学生健診の看護師

斉藤さん
私は主に大学生や専門学生の健診を行っていたのですが、健診の対象は、成
人の中でも若年層が対象です。
住民健診のような健診の補助も行いますが、生活習慣の改善や健康相談を行うことも多かったです。
学生さんは、一人暮らしを始めたばかりであったり、深夜までアルバイトをして生活習慣が乱れてしまいがちだったりと、学生ならではの生活があります。
まずは健診を通して、生活習慣の乱れに意識を持って行ってもらうことが目的です。

健康相談のブースでお話を伺う中で、心身のことについて、身近な相談場所として学校の保健室や相談室を紹介して連携をはかり、継続的な支援につながるケースも多いです。
困ったときに頼れる場所があることを伝えることで、学生が一人で抱え込まないようにすることも健診の仕事だと知りました。
そういった点からも、教育的な役割も担っているとも思いました。
自分も学生だったという経験から話せることも多かったし、気持ちが分かる部分も多く、説得力のある話がしやすいと思います。

インタビュアー
大学生や専門学生って、ある程度自由になれる時期ですよね。自分の体調管理よりも遊びやアルバイトが優先になってしまった経験は私もあります。
そんな学生さんと接する中で、何か印象的だったエピソードがあれば教えてください。

斉藤さん
私と話をしたときに、涙を流しながら今の悩みや困っていることを話してくれた学生さんもいました。
「今まで誰にも言えなかった。親元を離れたから、親に心配をかけたくないと思って言えなかった。」と言っていました。
その時は、時間をかけてゆっくり話を聞き、「もしこれから先困ったときは、学校の保健室や相談室にも気軽に行っていいんだよ」と伝えていました。
1年後の学生健診の際に、その子が学校のサポートを受けるようになり、継続的な支援に繋がっていたと知り、辛い時に手を差し伸べられたことにやりがいを感じましたね。
もしあの時に声をかけていなければ、あの子は今も一人で抱え込んでいたかもしれない、そう思うと、健診という短い関わりでも、病棟にいた時とはまた別の形で、人の人生に影響を与えることがあるんだと思いました。

インタビュアー
それは嬉しいですね。その方にとっても、とてもいいきっかけになったんですね。

対象が違っても必要な共通点

インタビュアー
同じ健診でも、対象が違うと接し方も全然違うんですね。二つの健診を通して、何か共通しているところもありますか?

斉藤さん
対象によって切り口はちがうけれど、どちらも健康維持と予防が目的なので、「病気の早期発見」と「生活習慣の見直し・改善」という点は一緒だなと思います。
生活習慣への指導を行う上では
コミュニケーションスキルが大事です。
短い時間の関わりであっても、信頼関係を築くような声かけや、話の切り口を工夫する必要があります。そのことが実際に行動を起こすか否かにかかってくると思います。

また、決まった時間で大人数の健診を終えなければならないので、流れ作業的で、「手厚く」というよりは「効率よく」場が回ることを求められる印象を受けました。

健診では、医師や保健師、管理栄養士などの専門職との連携が必要になってきます。
今回の学生さんの例のように、健診の場だけで終わらせるのではなく、その後に困ったときに頼れる場所として、保健センターや病院・市町村の健康相談窓口、学生であれば保健室や相談室などに繋ぐための橋渡し役になれるように努める必要があると思います。

インタビュアー
なるほど、健診の時だけでなく、終わった後のことも考えて接していくんですね。そのうえで、健診の看護師に求められることを教えてください。

健診の看護師ならではの悩み

斉藤さん
病院以上に高いスキルを求められると思います。健診では失敗しないことが当たり前の世界だと思います。特に採血へのプレッシャーが大きいです。クレーム対象になってしまうため、しっかり技術を磨いてからじゃないと難しいかなと思います。

意外だったのは、健診では受診者は「患者様」ではなく「お客様」のような立場です。そのため、言葉遣いや態度を見られている感覚が強く、接遇が求められていると感じました。実際、待ち時間のクレームなども多いです。
常に「見られている」状態での仕事なので、常に緊張状態であり、疲労感は強いと思います。

受診者と関わる時間は本当に短いため、じっくり関わる看護が好きな人には物足りなかったり、やりがいを感じられなかったりするかもしれないですね。

まとめ

斉藤さんの話から、看護の対象は病気や障害の方だけではないと分かりました。

住民の健診を保つ役割を担っている健診看護師は、健康診断という非日常の場の中で安心感を与えつつ、生活改善に導く存在という役割を求められます。
それは住民健診であっても、学生健診であっても同じです。

健診に来たということ自体が、健康に対する意識が高い方が集まっているということであり、その気持ちを組んだ関わりが必要ということが分かりました。

健康を保つためには、異常の早期発見と、時には生活習慣の見直しが必要です。
そのきっかけになるような関わりが求められる健診看護師。
健康寿命を延ばすためにも、大切な役割を担っているんですね。

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