【体験談】特養から通所介護(デイサービス)へ転職するメリットを30代介護職が語る

特別養護老人ホームなどの入居施設で働く介護職の方は、通所介護施設(以下、デイサービス)への転職を検討することがあるでしょう。
介護職を目指す方が「特養とデイサービスのどちらが自分に向いてる?」と迷うケースもあると思います。

この記事では「特養からデイサービスへ転職するメリット・デメリット」を具体的に紹介します。
記事作成にあたり、特別養護老人ホームからデイサービスへ未経験で転職した30代介護職の先本さん(仮名)に取材を行いました。現場体験を基にした記事をぜひご覧ください。

デイサービスと特別養護老人ホームの違い

はじめにデイサービスと特別養護老人ホーム(以下、特養)の違いを確認しましょう。

デイサービスは、高齢者が要介護状態となっても、住み慣れた地域や自宅で暮らせるように、入浴・食事・機能訓練などの介護サービスを提供する介護施設です。

一方の特別養護老人ホームは、介護・医療が連携して24時間体制で入居者の暮らしを支える入居系サービス(施設サービス)です。

両者は平均要介護度や現場の業務内容などが異なります。
下表でもう少し詳しく確認しましょう。

デイサービス 特別養護老人ホーム
一般的な営業時間 8:30~17:30 24時間
シフト 日勤 早番・日勤・遅番・夜勤
定休日 あり(土日など) なし
平均要介護度 2.1(※) 3.95(※2)
共通する主な業務
  • 身体介助(食事介助・入浴介助・排泄介助など)
  • 服薬介助
  • 記録業務
  • 家族への相談対応
  • 環境整備
特徴的な業務
  • 送迎業務
  • 頻度の高いレクリエーション業務
  • 季節行事担当
  • 夜勤業務
    (就寝介助・起床介助・夜間帯の対応など)
  • 看取りケア

※参考:厚生労働省|社会保障審議会介護給付費分科会(第219回)資料1
※2参考:厚生労働省|社会保障審議会介護給付費分科会(第183回)資料1

30代介護職が通所介護の現場で感じたメリット

〜体験談を紹介してくれた介護士さん〜
先本さん(仮名) 32歳 男性

30代介護職が未経験でデイサービスに転職したとき、どのようなメリットを感じるのでしょうか。取材を基にした体験談を紹介します。

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規則的なシフトで働ける

先本さんは、「規則的なシフトで働けること」をデイサービスのメリットに挙げました。
デイサービスでは、いつも同じシフトで働けるそうです。先本さんの職場の営業時間は「8:30~17:30」。営業日は「月曜日〜土曜日」で日曜日が公休日とのことでした。

デイサービスに勤めると、決まった曜日や時間で働けるようになるようです。

先本さんは、退勤後に妻と夕食に出かけたり夫婦で休日を過ごしたりすることが増えたといいます。定休日のおかげで、友人や親戚と会う機会も増えたそうです。

生活リズムが整いやすい

続いて先本さんがメリットに挙げたのは「生活リズム」です。
特養からデイサービスに転職したとき、「毎日同じくらいの睡眠時間を確保できる。働く時間がいつも同じで体力的に楽だ」と感じたそうです。

デイサービスには夜勤業務が基本的にありません。

デイサービスの現場では、送迎が遅くなったり行事の準備があったりして超過勤務が発生することもありますが、概ね日中で全ての勤務は終了するそうです。
デイサービスで働くと、夕方から夜間帯は心身を休めたり好きなように過ごしたりできるでしょう。

先本さんのデイサービスでの1週間は下表のとおりです。

曜日 勤務形態 労働時間
日曜日 公休
月曜日 日勤 8:30~17:30
火曜日 早番 8:00~17:00
水曜日 公休
木曜日 日勤 8:30~17:30
金曜日 日勤 8:30~17:30
土曜日 日勤 8:30~17:30

腰や肩を痛めにくい

厚生労働省の資料によると、令和4年度のデイサービス(地域密着型を含む)の利用者の平均要介護度は2.1です。要介護1〜2の方が全体の約68%を占めています。
一方の、特別養護老人ホームの平均要介護度は3.95で要介護3~5の方が全体の9割以上を占めています。

先本さんはデイサービスに転職したことで体の負担が減ったと感じたそうです。

「私は腰痛持ちなのですが、痛み止めの頓服薬や湿布を使う頻度が減りました」と、先本さんは語りました。

デイサービスには、重介護の型が少なくADLが自立している方も多いそうです。要介護度の重い方が多い特養と比較すると、介助業務の負担を抑えられるようですね。

参考:厚生労働省|社会保障審議会介護給付費分科会(第219回)資料1
参考2:厚生労働省|社会保障審議会介護給付費分科会(第183回)資料1

30代介護職が通所介護の現場で感じたデメリット

先本さんが現場目線で感じたデイサービスの3つのデメリットを紹介します。

送迎業務が毎日ある

デイサービスで働くデメリットについて、先本さんは送迎業務を挙げました。

「デイサービスでは、ハイエースなどの送迎車両を使った送迎業務が毎日のようにあります。運転が苦手な人は送迎業務が負担になるかもしれません」

さらに、デイサービスの朝(迎え)の送迎では、利用者が安心して乗車できる運転を心がけながら、決められた時間までに施設に到着する必要があるそうです。

「1人暮らしの利用者を迎えにいく際は、荷物の確認や朝の服薬の確認も行っています。確認作業の多い日は時間が気になりますね」と、先本さんは話しました。

一方で、送迎業務が気分転換になるケースも多いそうです。

「車内は、自然と利用者さんとの距離が近くなるんです。お互いの近況や最近の出来事なんかをゆっくり話せる時間を持てます」と、先本さんは教えてくれました。

レクリエーションや行事が多い

デイサービスでは、毎日のようにレクリエーションが実施されるそうです。
介護職はレクリエーションの司会進行や盛り上げ役を担い、利用者の意欲的な参加を促す役割があるそうです。

また、夏祭りや新年会といった季節行事の企画・実行を担当するのも介護職が多いとのこと。

「介護職は日中の介護業務全般を担当しています。さらに、レクや行事に対応するのは大変ですね…」

一方で、職員を孫や息子のようにみてくれる利用者がいて、やさしく接してくれる人もいるそうです。

「レク業務は慣れないうちは大変かもしれません。でも、何度もレクを担当すると必ず慣れます。デイ未経験の方こそ、いつかうまくいくと気楽に構えることが大切だと思います」と教えてくれました。

特養よりも手取りが減る可能性がある

「デイサービスと特別養護老人ホームの違い」でお伝えしたとおり、デイサービスには夜勤や遅番などが基本的にありません。
超過勤務手当や夜勤手当などがもらえなくなる可能性が高く、手取りが減る可能性はあるでしょう。

先本さんによると、介護職員の給与はその法人や団体の給与体系によるため、勤め先によっては手取りが減るおそれもあるようです。

特養出身の介護職が語る「デイサービスが向いている人・向いていない人」

特養とデイサービス両方を経験した先本さんは、デイサービスが向いている人と向いていない人を以下のように語ってくれました。
この記事を読んでいるあなたは、どちらのタイプに近いと感じるでしょうか。今の自分に合う働き方を見つける参考にしてみてください。

向いているのは「臨機応変に動ける人」「行動力のある人」

デイサービスが向いているのは「臨機応変に動ける人」「行動力のある人」だそうです。
先本さんは以下のように教えてくれました。

「私が勤めるデイサービスには一日20~30人くらいの利用者が来られます。サービス計画書に沿って必要なサービスを提供するには、タイムスケジュール通りに進行する必要があります」

「タイムスケジュールに沿って、積極的に動ける人は現場で重宝されます。他にも、現場の状況に応じて臨機応変に動ける人も他の職員や利用者から感謝されることが多いです」

ただし、現場の状況に応じて動けるのは、デイサービスの現場で経験を積んだ人だそうです。

「入職して間もない頃は臨機応変になんて動けません!3年目の僕でもまだまだ理想通りに動けないことが多いんですから…」と苦笑する先本さん。

ここまで紹介した送迎業務にしてもレクリエーションや行事にしても、未経験の方が意識したいことは、はじめから完璧にやろうとするより徐々に慣れていく姿勢のようです。

参考までに先本さんから紹介いただいたデイサービスのタイムスケジュールと主な業務を紹介します。

時間 項目 介護職の主な業務
8:30~9:30 送迎 送迎ルートの確認
運転
本人や家族との連絡
9:45~10:00 バイタルチェック 体温・血圧の測定・本人の健康確認
10:00~11:45 入浴
個別的なレクリエーション
機能訓練
余暇活動、など
入浴業務
レクリエーション業務
機能訓練の補助
余暇活動のサポート
歩行介助や排泄介助など
12:00~13:00 昼食 配膳・下膳
食事介助
服薬業務
13:00~14:00 休憩
14:00~15:00 レクリエーション レクリエーションの準備
司会進行や進行役の補助
連絡帳の記入
記録業務(レク担当から外れた場合)
15:00~15:15 おやつ 配膳・下膳
食事介助
15:15~15:45 帰り準備 排泄介助
着衣介助
16:00 送迎 送迎ルートの確認
運転
本人や家族との連絡

向いていないのは「接遇」が苦手な人

先本さんによると、ため口で利用者に接したり子ども言葉で話しかけたりする人はデイサービスに向いていないそうです。

デイサービスは特養に比べて要介護度が軽い方や認知症を患っていない方も多く、接遇(※)を気にする利用者が多いといいます。
※お客さまに適切に対応する態度や言葉遣いのこと

接遇を身につける気のない人は、施設全体のイメージを悪化させたり利用率の低下を招いたりするリスクがあると思います」と、先本さんが続けます。

デイサービスの接遇では、職員の言葉遣いや身だしなみ(髪型・髭・着衣の乱れなど)を気にする利用者が多く、介護職の接遇の悪さが施設へのクレームにつながることもあるそうです。
デイサービスに転職を考えている方は、最低限の接遇を意識する必要があるようですね。

まとめ

先本さんが転職を検討したのは、結婚後だったそうです。この先子どもを授かったら、正社員で働く妻と協力しながら子育てをしたい。そのとき、夜勤業務のある特養で大丈夫なのかと悩んだといいます。

「特養の介護職にやりがいのある業務はありましたし、待遇も悪くありませんでした。ですが、デイサービスへ転職して時間や体力に余裕を持てるようになりました。転職してよかったと思います」と、話してくれました。

インタビュアーが「この記事を読んでくださる方に何か伝えたいことはありますか?」と質問したときの先本さんの返答は以下のとおりです。

「働く環境を変えることに不安を感じる人も多いと思います。ですが、自分の気持ちや家族のことを考えて後悔のない選択をしてほしいです。

今、転職を検討している方も、先本さんのように転職を通じて新しい環境でいきいきと働ける可能性があります。この記事が最初のきっかけになれば幸いです。

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