「怖い先輩と一緒の勤務って考えると職場に行きたくない」「インシデントもするし、仕事も遅いし看護師に向いてないのかな」などの悩みを一人で抱えていませんか?
実際に、人間関係や仕事のハードさなど、心身ともにダメージを受け、転職や看護師自体を辞めたいと思う新人看護師も少なくありません。
こちらの記事では、先輩の成功談と失敗談を元に、新人看護師が辞めたいと悩んだ際の対処法をご紹介します。悩みで苦しんでいる方へ、少しでも前を向くためのお役に立てたらと思います。最後までご覧ください。
目次
辞めたいと思う新人看護師は9割超え
日本看護協会によると、2022年度の新卒採用者の離職率は10.3%でした。
退職や転職をしなくても「辞めたい」と思う人は多く存在します。現場で働いている新人看護師やSNSでの実際の声は以下の通りです。
新人Aさん
同期は定時で仕事が終わりますが、私はほぼ毎日30分〜1時間残業しています。
先輩に仕事を手伝ってもらっても効率が悪く記録が終わりません。
新人Bさん
先輩同士で私や他の看護師の陰口を言っていました。辛いけど休む勇気がありません。私の教育担当の先輩にも申し訳ないし、看護師としてなんのスキルもない状態で休職すると2度と看護師として働けないと思います。
新人Cさん
命にかかわることなので初めてのことやわからないことはすぐに聞きながら仕事をしていますが、先輩も忙しく聞ける雰囲気もなく聞いても面倒くさそうな態度や少し怒り気味で返されます。
精神的に追い込まれ「辞めたい」と思う多くの新人看護師がいます。しかし、プリセプターへの配慮や辞めたら戻れなくなるなどの理由で退職はせず、看護師を続ける選択をする方も多く存在します。
ほとんどの新人看護師が「辞めたい」と思い、一度は退職を考える人も多いでしょう。
新人看護師が辞めたいと思う4つの理由
1年目で退職や転職を考える理由を見ていきましょう。
怖い先輩がいて緊張や不安が押し寄せる
「夜勤で先輩の機嫌が悪すぎて最悪…」病棟全体の雰囲気を悪くする先輩が職場には存在する場合があります。入職した頃はプリセプターや決められた先輩が指導にあたるケースが多く、話す機会が少ない先輩もいます。
プリセプターから新人に話しかける場合が多く、新人自ら話しかけるのは躊躇したり緊張したりするでしょう。いつの間にか話す機会が少ない先輩には近寄り難くなり、怖いと感じる場合があります。
なかには、怖い先輩が指導にあたるケースもあります。先輩から「で?」と言われた経験のある新人看護師もいるでしょう。他にも、新人看護師の考えを聞かず、否定や指摘をされたのをきっかけに怖いと感じる場合もあります。
看護師だけではなく、医師が厳しい職場もあり、新人看護師が悩む場面は多いでしょう。
インシデントを起こしてしまった
新人看護師の13.0%がインシデントに関与しています。先輩のフォローが外れ、業務の自立後に先輩に聞けず、インシデントにつながるケースがあります。
新人看護師の場合、知識不足や精神的な余裕のなさから、医師の指示間違いに気付けず、過小投与や過剰投与の間違いが発生しやすいです。他にも受け持つ患者人数が多く、多重業務に、患者からのトイレコールに対応が遅れ、患者が転倒するケースもあります。
インシデントは誰にでも起こりうる病棟全体の問題ですが、起こしてしまった看護師は自分を責め、周りからも責められているように感じ、精神的に負担が大きいでしょう。
教育体制が不十分と感じる
新人看護職員研修における調査では、新人看護師を採用する病院の20%が、新人看護師を計画的に育成する体制が整っていないと回答しました。実際に教育を担当する先輩や看護部が教育に困っていない場合でも、新人看護師自身が教育体制が不十分と感じる場合もあります。
出勤したら休憩室のホワイトボードに、新人看護師の毎月の達成目標が書かれ、始めて今月の目標を知るケースもあります。先月の目標達成は評価されず、目標を達成できているのかフィードバックがないまま時間が過ぎるのは珍しくありません。
教育体制が整っていないと、新人看護師は業務をこなせているか不安に感じるでしょう。
業務量が多く心身の負担が大きい
仕事が終わらず残業が続くと1日を仕事だけで終え、休日は休むことに専念する日々が続きます。病院によって、初めのうちは新人看護師に残業をさせないよう業務量の調整や、勤務時間内の振り返りができるよう配慮しています。
しかし業務に慣れてくると、受け持つ人数が増えたり、イレギュラーな対応を任されたりするでしょう。新たに経験する業務は、記録にも戸惑い、業務量がさらに増えます。
新人看護師は、経験が浅いため効率的な業務遂行は難しく、業務量が増えると精神的な負担となります。
新卒の時「看護師を続けて良かった」体験談を紹介
石川さん(仮名) 35歳 女性 助産師13年目 転職経験1回
実際に石川さんが1年目の看護師時代に、「辞めたい」から「続けてよかった」に至るまでのエピソードをお伝えします。
同期と比べられ自分自身が否定されたとショックを受けたが自分と向き合え人として助産師として成長できた
「同期の二人はあんなに落ち着いているのに石川さんは…」先輩からよく言われていたそうです。石川さんは新卒で入職し、他の同期二人のうち一人は社会人経験がある30歳、もう一人は大学院卒の27歳でした。同期二人は元の性格も穏やかで、焦っても口調は変わりません。
一方で石川さんの性格は、落ち着きはあまりなく、考えるより行動派。学生の頃は「なんでも行動できる石川さんすごいね」と言われていたそうですが、社会人になるとその性格が足を引っ張っていました。
指導にあたる先輩はなぜか毎回怖い主任、プリセプターは病棟一笑顔が少なく年も15歳離れた方。勤務のたびに緊張し、患者対応でスピードが求められる際は、特に精神的な余裕がなく、患者さんへの口調が強くなったり、ワゴンをぶつけたりしてしまい先輩に怒られていたそうです。
看護部の説明では「同期と比べる必要はない、あなた自身の成長を見ていけばいい」と言っていたにもかかわらず、実際は同期と比べられ今までの自分が否定されているように石川さんは感じてしまいました。
しかし、自分が患者さんだったらバタバタして焦っている助産師にケアをしてもらいたいか?と考えた際、答えは当然ですが、ノーと思ったそうです。
同期のような落ち着きは難しいかもしれないけど「患者さんが安心できる看護師になりたい」と心を入れ替え、その日から自分が落ち着くためにさまざまな対策を行ったと、実際に行った対策を交えながらお話してくださいました。
石川さんが行った対策をご紹介します。
・日常生活から言葉遣いには気をつける
・普段から落ち着いている人と行動する
・深い呼吸を心がける

当時、先輩から「急に変えようと思っても変わらない、普段から気をつけて実践しないと」と言われた際、心を揺さぶられました。仕事だからとはいえ、急に落ち着けるようになるわけがない、性格に関係する問題を解決するには本気で努力する必要があると気付いたそうです。
自分自身の性格や行動を改善するには、闇雲に誰かの真似をするのではなく、自分に合った方法を見出し実践することが大切であり、画像にある10ヶ条は見る人によってはひどい内容かもしれません。ですが石川さんにとっては重要な内容でした。行動を変えるには意識し続けるしかないとおっしゃってました。
最終的に「自分が変われた」と感じるのに2〜3年はかかったそうです。
看護師歴13年の現在、石川さんは誰よりも落ちつき、周りから「急変時でも落ち着いているね」と言われるようになったそうです。看護師1年目でつまずいたら、自分の性格や、緊張した際の自分の特徴や行動理解し、自分に合った改善方法を探求すると解決につながるとおしゃっていました。
病棟一怖い主任と2ヶ月間同じ夜勤で毎回インシデント発生|プリセプターに助けを求めるもあなたが悪いと断言され余計辛くなった
石川さんのような「考えるより行動派」な性格だとインシデントを起こしやすいそうです。さらに「なんとかなるだろう」と考えるのもおすすめしないと断言されていました。
続けて、看護師1年目当時の石川さんの辛かったエピソードも話して頂きました。
私は、毎回と言っていい程、病棟一怖い主任と夜勤が一緒でした。
すでに夜勤を独り立ちしていたため「初めて経験すること、わからないことは自分から確認する」がお約束。
しかし、病棟一怖い主任に、初めての経験なので確認おねがいします、と伝えると
「え?まだやってないの?」
と言われ、確認したいことを質問すると
「メモしてないの?ちゃんと聞いてた?」
と言われ責められているように感じました。
確認が必要とわかっていても、主任が怖すぎて、極力かかわらないように逃げていました。病棟一怖い主任との勤務の時にかぎって、書類のさばき方や検査出しなどわからないことが多発してしまいます。
さらに、忙しい勤務が多く、先輩に聞くタイミングが見つかりませんでした。本当は先輩を捕まえて聞けたかもしれませんが、心から怯えていた私は「とりあえず自分でやってみよう」と怖い主任への確認作業を避けてしまっていたのだと思います。それにより、ミスを重ねていました。
怖い主任との夜勤はまさかの2ヶ月、ずっと一緒、ミスも2ヶ月間続きました。
夜勤で疲れ切った後、怖い主任ととなぜミスをしたのか振り返りをしなければなりません。
主任からは
「なんでミスしたの?なんで聞かなかったの?」
と質問責めされ精神的に大きな負担でした。
まさか「あなたが怖いからです」なんて口が裂けても言えません(今なら言えますが笑)。
また、ミスが発生した際、プリセプターに報告する決まりがあったためミスの報告と一緒に、精神的に辛い状況も相談しようとしました。
プリセプターから返ってきた言葉は
「またミスしたの?確認しないとダメじゃん」
と。ミスの原因は確認を怠った私ですが、なんで確認できないか聞いてほしい、また、頑張れと励まして欲しかったため、余計に辛くなってしまいました。
このままでは、他の先輩からの信用も失い、患者に影響するミスを起こしかねない、先輩が怖くても「患者さんに不利益になる可能性があるなら怒られてもいい」と、自分の考えを改め確認作業を徹底しようと心に決めます。
万が一、質問して無視され、きつく言われたら辞めようと決意を固めると少し気が楽になり、頑張ることができました。
少しでもわからないと思ったらすぐ主任に確認すると
「確認できたじゃん」
と褒めてもらい、否定されなかったのをきっかけに先輩への苦手意識が徐々に薄れていきました。
残念ながら最後までプリセプターは相談に乗ってくれなかったそうです。ミスをしたりうまくいかなくて落ち込んでしまったりした場合、単に辛いと思わず、どんな看護師になりたいか、目指す看護師像に近づくために何ができるかを考え、対処し乗り越えることが必要だとおっしゃっていました。
新卒が「辞めたい」ときの対処法
「辞めたい」と思った際、なぜ辞めたいと思うか原因を深掘りしてみましょう。自分に改善が必要なケースなら、転職しても繰り返す可能性があります。4つの対処法を紹介します。
①自分の特徴を理解する
自分が、緊張や感情が高まるのはどのような場面か把握しましょう。自分の特徴を理解すると、普段と違う精神状態になった際、事前に対策ができます。
新人看護師が緊張しやすい場面は以下のような状況です。
・初めて行う看護技術の場面
・患者さんとのコミュニケーション
・指導者が怖い先輩など
看護技術の前には手順書を読み、シミュレーションを行うとよいでしょう。患者さんの部屋に訪室する際は、事前に質問内容や体質の際「困っていることや聞きたいことはありませんか?またお伺いしますね」など声かけを決めるのも有効です。怖い先輩が指導者の際は、勤務前にリラックスするために好きなことをして過ごしましょう。
②信頼できる先輩を見つける
なんでも打ち明けられる先輩がいると、精神的な負担が軽減します。ですが、入職したばかりだと、どの先輩が信頼できるか見極めるのは難しいでしょう。
プリセプターを始め、よく気にかけてくれる先輩が必ずいます。今困っていることや、辛いことを打ち明ける際は、愚痴でなく悩み相談にしましょう。
③上司に相談する
「辞めたい」思いを抱えながら毎日出勤するのは精神的に大きな負担です。まずは上司に打ち明けてみましょう。
人間関係が原因の場合は、配置換えや夜勤で一緒にならないようにシフトの配慮をしてもらえる場合があります。
心身の状態によって、休みを多くもらったり、業務量を調整してもらったり対策を検討してもらうのもおすすめです。
④転職サイトで求人情報をみる
職場の働き方や教育体制で悩む場合は、転職するのも一つの方法です。職場の風土はすぐに変わりません。
働いてみたからこそ、自分が求めるものに気づく場合もあります。今の職場で落ち込みすぎて抗精神薬を内服し、心療内科に通院しながら働き続ける新人看護師も少なくなりありません。
環境を変え、また一から頑張る選択肢も念頭に置くと良いでしょう。
新人看護師が辞めたいと思ったら一人で悩まず相談しよう
多くの看護師が退職や転職を考えています。「辞めたい」と思った際、どこに相談して良いかわからない新人看護師も多いでしょう。寝不足の実習を乗り越え、看護師になったにもかからわず、明るいが未来が見えないで苦しんでいるあなたの悩みが解決するのを願っています。

