「オンライン服薬指導ってどうすればいいの?」「オンライン服薬指導が2022年に変更があったって本当?」「算定要件はどうなったの?」と悩んでいるオンライン服薬指導未経験の薬剤師さんは多いのではないでしょうか?
オンライン服薬指導とはパソコンやスマートフォンなどで患者の状態を確認しながら行う服薬指導のことです。2022年の薬機法改正で、従来初回は対面に限った服薬指導も規制緩和され、実施可能となりました。オンライン診療などで発行された処方箋でなくとも可能で、新型コロナ感染拡大の中で必要が生じて特例的に行われていたオンライン服薬指導がほぼそのまま行えます。
この記事では、オンライン服薬指導の調剤報酬上の扱い、オンライン服薬指導の注意点について解説します。ぜひ、最後まで読んでください。
オンライン服薬指導とは?
オンライン服薬指導とは、パソコンやスマートフォンなどの情報通信機器を活用して患者の状態などを確認しながら、実施する服薬指導のことです。オンライン服薬指導には業務の効率化のメリットがある反面、患者の顔色や声、身体症状などが確認しにくいというデメリットもあります。
また、オンライン服薬指導の特性上を踏まえた上で、「患者の安全」や「患者の個人情報」を守るために、薬剤師がしなければならないこともあります。
【オンライン服薬指導】調剤報酬上の扱い
2022年の調剤報酬改定で、オンライン服薬指導は、「外来診療を受けた患者に情報通信機器を用いて行う服薬指導」として、「服薬管理指導料」と名付けられ、評価されています。
この情報通信機器は「映像および音声で相手の状態を見ながら通話をすることが可能な方法」であり、音声のみの電話などは含みません。
服薬管理指導料
【情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合】
イ . 原則3か月以内に再度処方箋を提出した患者 :45点
ロ . イの患者以外の患者 :59点
算定要件
処方箋受付1回につき所定点数を算定します。ただし、イの患者であって手帳を提示しないものに対して、オンライン服薬指導を行った場合は、ロで算定します。
オンライン服薬指導を行った場合の「服薬管理指導料」の加算は、薬局で対面による服薬指導を行った場合の「服薬管理指導料」の加算と同等です。
オンライン服薬指導について、2022年改定ではさらに以下のような変更がありました。
【オンライン服薬指導に関する2022年調剤報酬での変更点】
- 麻薬等加算、乳幼児服薬指導加算、吸入薬指導加算など各種算定加算可能
- 施設基準なし
- 地方厚生局への届出必要なし
そのため、従来より算定しやすくなっています。
【オンライン服薬指導】注意点6つ
オンライン服薬指導では、情報通信機器の画面越しに対面で行う服薬指導と同程度の服薬指導を行わなければなりません。オンライン服薬指導での注意点は以下の6つです。
- オンライン服薬指導は薬剤師の判断と責任で行う
- 薬剤師と患者双方で本人確認を行う
- 患者へ薬局内の服薬指導と同様に薬剤の情報提供と指導を行う
- 薬剤が確実に患者に渡ったことを確認する
- 服薬指導はプライバシーに配慮した場所で実施する
- 処方箋がファックス、メールで送付された場合、原本は医療機関から入手する
以下で、詳しく解説します。
1.オンライン服薬指導は薬剤師の判断と責任で行う
オンライン服薬指導は患者から求めがあった場合に、薬剤師の判断と責任で行います。薬剤師が薬学的知見を根拠に「実施できない」と判断した場合は、通常の対面での服薬指導を受けるように促しますが、この場合は薬剤師法第21条の調剤応需義務違反にはなりません。
実施できない場合の例として挙げられるのが、注射薬や吸入薬など手技の説明が必要な薬剤が処方された場合です。医師による指導状況が十分で、患者も十分に理解していると判断した場合はオンライン服薬指導を行いますが、そうでない場合は対面での服薬指導が必要な理由をていねいに説明して、理解を得ます。
患者が重症の認知機能障害などで薬剤師と十分に意思疎通を図れないと考えられる場合は、患者の家族などを指導の対象とすることが可能です。また、介護施設などの患者に関しては施設全体としてではなく患者ごとに、オンライン服薬指導の可否を判断します。
以下にオンライン服薬指導を行う場合の流れのイメージ図を掲げました。

【図:オンライン服薬指導の流れのイメージ】
2.薬剤師と患者双方で本人確認を行う
オンライン服薬指導を行う場合は、薬剤師と患者双方で身分確認書類で本人確認を行います。身分確認書類の例としては、薬剤師は顔写真付き身分証明書など、患者は保険証などが挙げられます。しかし、社会通念で「薬剤師である」「患者本人である」と認識できる場合は行う必要はありません。
3.患者へ薬局内の服薬指導と同様に薬剤の情報提供と指導を行う
オンライン服薬指導では、患者へ薬局内の対面による服薬指導と同様に薬剤の情報提供と指導を行います。患者の服薬アドヒアランスを保ち、また薬剤が適正に使用されるように服薬指導を行うのは、オンラインでも対面でも同じです。
オンライン服薬指導での「薬局内の服薬指導と同様の薬剤の情報提供と指導」とは、以下の通りです。
【オンライン服薬指導で行う薬剤の情報提供と指導】
- 事前に薬剤情報提供文書などを患者に送付するか、あるいは、画面に表示して服薬指導などを実施する
- 対面での服薬指導と同じように、患者からの求めで、改めて薬剤の使用方法の説明、服薬状況の把握および副作用の確認などを実施する
- 対面での服薬指導と同じように、患者の服薬状況など必要な情報を処方医師にフィードバックする
薬歴管理を適切に行うために、オンライン服薬指導は、かかりつけ薬剤師・薬局により行われることが望ましいとされています。
4.薬剤が確実に患者に渡ったことを確認する
薬剤交付後は、薬剤が確実に患者に渡ったことを確認します。
薬剤は郵送もしくは配送で患者へ交付されます。薬剤が患者へ渡ったことを確認する方法として挙げられるのは、以下の方法です。
【薬剤が患者に渡ったことを確認する方法】
- 電話
- 配達業者の配達記録
- アプリケーションなどの受領確認
- 配達記録が記載されたメール
一番効率の良い方法で行いましょう。
5.服薬指導はプライバシーに配慮した場所で実施する
オンライン服薬指導はプライバシーに配慮した場所で実施しましょう。
患者がオンライン服薬指導を受ける場所は、患者の心身状態を確認する都合上、プライバシーが保たれるように配慮された場所であることが必要です。ただし、患者の同意があればその必要はありません。
また、調剤薬局はオンライン服薬指導時の情報漏洩などに関する責任の所在を明確にして患者に明らかにしなければなりません。具体的な対応策としては、オンライン服薬指導に使う通信情報機器やアプリケーション、薬局ホームページなどに表示するなどが挙げられます。
6.処方箋がファックス、メールで送付された場合、原本は医療機関から入手する
処方箋がファックス、メールで送付された場合、原本は医療機関から入手します。
患者が医療機関に処方箋を「薬局に送付して欲しい」旨を申し出た場合、医療機関は処方箋を薬局に直接送付することが可能です。
薬局は、医療機関から処方箋原本が事後に送付されるまでの間、ファックスやメールなどで送付された処方箋を処方箋とみなして調剤などを行います。医療機関から処方箋原本を入手したら、ファックス、メールなどで先に送付されている処方箋情報と一緒に保管します。
オンライン服薬指導に関するよくある質問
オンライン服薬指導に関するよくある質問をまとめてみました。オンライン服薬指導に関しての疑問が解決する可能性があるので、読んでみてください。
A. いずれの場合も変更調剤が生じた場合に対応できないので、自宅などでオンライン服薬指導はできません。
自宅などの薬局外で服薬指導を行う場合は、変更調剤に対応できるように、オンライン服薬指導を行う薬剤師とは別に薬局で調剤する薬剤師と相互に連絡できる体制をとる必要があります。そのため、薬局の開院時間帯で、かつ、薬局内に1名以上の薬剤師が調剤業務をしている状況でなければなりません。
A. オンライン服薬指導をする薬剤師に正規雇用、非正規雇用、派遣などの雇用形態の条件はありません。
A. 薬局開設者は、オンライン服薬指導を行う薬剤師に「薬局内と同様に薬剤に関する情報提供及び指導を適切に行わせる」必要があります。
A. オンライン服薬指導に係る内容を含める必要があります。
まとめ|環境が整えばオンライン服薬指導は患者も薬剤師も便利!
この記事では、オンライン服薬指導の調剤報酬上の扱い、オンライン服薬指導の注意点について解説しました。
オンライン服薬指導とはパソコンやスマートフォンなどで患者の状態を確認しながら、実施する服薬指導のことです。規制緩和され、オンライン服薬指導も初回から実施可能となりました。
環境が整えばオンライン服薬指導は患者も薬剤師も便利です。オンライン服薬指導のシステムが社会に根付くまでには時間が必要ですが、メリットを最大限に活かせるように、薬剤師も対応していきましょう。
