かかりつけ薬剤師とは?なるための条件やメリットをまとめました!

かかりつけ薬剤師 薬剤師のリアル

近年、皆さんが勤務されている薬局でも、「かかりつけ薬剤師になりましょう!」という動きが活発になっているのではないでしょうか。
しかし、このかかりつけ薬剤師制度については、なるための条件が若干複雑で理解が難しかったり、かかりつけ薬剤師になるとどのようなメリットがあるのかなど、これからかかりつけ薬剤師になる方にとってはイメージするのが難しいですよね。
そこで今回は、かかりつけ薬剤師がどのような制度でどのような役割を果たしているのか、また、条件やメリットなどについて解説していきます。

かかりつけ薬剤師とは

かかりつけ薬剤師とは、薬物治療に関することだけでなく健康や介護について豊富な知識と経験を持ち、個々の患者様へ適切な指導を行ったり、患者様一人一人のニーズに沿った対応ができる専属の薬剤師のことです。
高齢化が加速する現代の日本社会においては、患者様が居住する地域の中で医療や介護、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの拡充が急務となっており、それに伴い地域の身近な医療者としてかかりつけ薬剤師のニーズは一層高まっています。
かかりつけ薬剤師は、医療機関等と連携して地域住民の健康保持・増進に貢献し、さらには患者様本意の医薬分業実現に向けて様々な体制を整えておくことが求められています。

かかりつけ薬剤師の役割

かかりつけ薬剤師の役割は、服薬情報の一元的・継続的把握」「医療機関等との連携」「24時間対応・在宅対応」の3点が挙げられます。
かかりつけ薬剤師は、正しい薬学的管理とともに、患者様に対して幅広いサポートができる体制を整えておくことが求められています。

かかりつけ薬剤師の役割① 服薬情報の一元的・継続的把握

かかりつけ薬剤師は、担当患者様の過去の服用歴を含め、全ての処方薬や市販薬、サプリメントなどの情報を把握し、まとめて管理する役割を担っています。
ご高齢の患者様の中には、複数病院、あるいは複数科受診している方も多く、このようなケースにおいて最も心配なのが、多剤・重複投与や相互作用ではないでしょうか。
このような点においても、一人の薬剤師が患者様のかかりつけとして担当することにより、チェック漏れを防止できたり、時には減薬に繋がる可能性も期待できます。
また、日頃から継続的に関わっている顔馴染みの薬剤師が、患者様へ親身に寄り添い、丁寧な服薬指導を行うことで、患者様の薬への理解が深まるとともに、飲み忘れや飲み残しを防ぐことへも繋がります。

かかりつけ薬剤の役割② 医療機関などとの連携

かかりつけ薬剤師は、医師の処方内容をチェックし、必要であれば処方医に問い合わせをしたり、患者様から得られた情報を処方医へフィードバックするなど、医療機関と患者様をつなぐ重要な役割も担っています。
また、2020年9月の法改正により、服薬後のフォローが義務化されました。これは、単に服薬指導をするだけでなく、患者様の薬剤使用状況を「継続的かつ的確に把握し、患者様、もしくは看護をする方に対して薬学的知見に基づく指導を行うこと」という項目が追加されたことによります。
このようなことから、フォローアップを通して得られた患者様の情報を処方医へ報告するなど、医療機関と連携することがより一層求められるようになっています。

かかりつけ薬剤の役割③ 24時間対応・在宅対応

かかりつけ薬剤師は、薬局の開局時間に限らず、24時間体制で患者様からの相談に対応することが求められています。
また、必要に応じて在宅対応も行い、緊急の場合には夜間や休日であっても調剤を行うなどの対応と、必要であれば患者様のご自宅や施設などの入居先に直接薬をお届けする場合もあります。
これは、地域包括ケアシステムの一環として、24時間対応、及び在宅対応ができる体制を確保することが求められており、高齢化が進む現代においてこのようなニーズはますます高まっています。

かかりつけ薬剤師になるための条件

かかりつけ薬剤師になるためには、いくつかの条件を満たしておかなければなりません。
具体的には以下の通りで、この全てを満たす必要があります。

1.3年以上の保険薬局勤務経験があること
2.同一保険薬局で週32時間以上勤務していること
3.勤務先の保険薬局に1年以上在籍していること
4.薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定薬剤師を取得していること
5.医療に関わる地域活動や取り組みに参加していること

かかりつけ薬剤師になるためには、1に明示されている通り、少なくとも3年の勤務経験が必要です。これは、単に薬学的な知識を有するだけでなく、患者様をトータルでサポートするための知識や経験を幅広く習得する上で必要な時間として定められています。

次に、4で示される研修認定薬剤師とは、認定試験を受けて取得するものです。認定試験を受験するためには日本薬剤師教育研修センターや日本薬剤師会など、各団体が実施している研修会を受講し単位を取得する必要があります。
中には、e-ラーニングで取得できる単位もあるので、積極的に活用してみましょう。
なお、認定薬剤師の取得には、最初の申請から4年以内に40単位以上(毎年5単位以上)、3年ごとに30単位以上(毎年5単位以上)取得する必要があるので、単位数の確認も忘れないようにしましょう。

5の医療に関わる地域活動への参加については、厚生労働省が、以下のように具体的な見解を示しています。

●地域包括ケアシステムの構築に向けた、夜間休日対応や夜間診療所の派遣
●地域ケア会議など定期的、かつ継続的に実施される会議への主体的な参加
●地域の行政機関や医療・介護団体が主催する研修会への参加
●委託を受けて行う学校薬剤師業務

かかりつけ薬剤師になるためには、自ら進んで地域住民と関わり、地域包括ケアシステム推進のためのサポートをしたり、行政機関や各団体が主催するイベントへ主体的に参加するなど、積極的に行動することが求められています。

これらの条件から見ても分かるように、かかりつけ薬剤師になるためには取得までにそれなりの時間と努力を要します。通常業務に加えて、すべきことも多くあるので、取得に向けて計画的に準備を進めていきましょう。

かかりつけ薬剤師になるとどんなメリットがある?

かかりつけ薬剤師の制度は、患者様側へのメリットに目を向けがちですが、もちろん、私たち薬剤師側にもメリットはあります。
かかりつけ薬剤師になるためには相当な努力が必要で、かかりつけ薬剤師になった後も勉強し続ける必要がありますが、そこから得られるメリットは非常に大きいものです。

メリット① 薬剤師としてのスキルアップ

かかりつけ薬剤師になるには、一定の条件を満たす必要があり、中でも研修認定薬剤師の取得に関しては、知識面での大きなスキルアップに繋がります。
このような研修で自己研鑽を積み、3年以上の実務実績のある薬剤師は、質の高い豊富な知識を持つとみなされ、社会的なニーズも高まります。
また、かかりつけ薬剤師は、専属の薬剤師として一患者様と深く関わることができるため、コミュニケーション能力や信頼関係の構築などの側面からもスキルアップを期待でき、さらには、患者様に頼られる存在として仕事のやりがいやモチベーションアップにも繋がるでしょう。

メリット② 他職種や地域社会、地域住民との交流が増える

かかりつけ薬剤師は、医療連携の観点から他職種との関わりが増え、チーム医療に携わることができます。
また、地域活動への参加も必須となるため、その活動への参加を通して地域との繋がりを持つことができ、かかりつけ薬剤師について知ってもらう良い機会にもなるでしょう。

メリット③ 手当が充実している

かかりつけ薬剤師は、2016年に始まった比較的新しい制度のため、人材が不足しています。これに加えて、かかりつけ薬剤師は、急な患者対応などにより業務負担が増すため手当を充実させている薬局も多く、結果、年収アップが見込めるでしょう。
自身の努力が認められ、評価されることは、モチベーションアップにおいても大切な要素になりますね。

まとめ

かかりつけ薬剤師は、「服薬情報の一元的・継続的把握」「医療機関等との連携」「24時間対応・在宅対応」の3つの役割を担っています。この役割を果たすため、薬剤師は幅広く知識を習得し、個々の患者様のニーズに沿った対応ができるよう様々な経験を積まなければなりません。
2025年には、全ての薬局がかかりつけ薬局の機能を有することが求められており、高齢化が進む現代において、かかりつけ薬剤師へのニーズはますます高まっており、今後の活動がとても注目されています。
かかりつけ薬剤師は、患者様を始め、地域住民、医療関係者から頼られる存在として、やりがいの多い仕事です。
今現在、要件の関係からかかりつけ薬剤師としての業務に当たれない薬剤師の皆さんも、今後を見据え、患者様、地域住民へ貢献できる行動を自ら考え、今できることを行動に移してみると良いでしょう。

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