プライマリ・ケアは広い意味で、身近にあり何でも相談にのってくれる総合的な医療という意味があります。この記事ではプライマリ・ケア認定薬剤師とはどのような仕事なのか、どんな流れで取得できるのかなどについて、くわしく解説します。
プライマリ・ケア認定薬剤師とは
プライマリ・ケアとは、幅広い領域の健康福祉に関わる問題を複合的に解決していく地域医療のことで、薬剤師だけではなく医師・看護師・介護士・社会福祉士・ケアマネージャーなど他職種の担当者が連携して行うことが特徴です。
プライマリ・ケア認定薬剤師とは、医師・看護師などの医療従事者とチームを組み、患者さんへ適切な医療を行う薬剤師のことをいいます。
医療従事者として他の職種とコミュニケーションを密にとり情報共有を行い、地域における必要なサポートを行うために、薬剤師としての知識や経験を活かしながら、地域医療の一端を担います。
具体的には、患者さんにとって身近な存在である地域の薬局などで、健康や病気に対する疑問がある場合の身近な相談相手としての役割を果たします。
ほかにも、専門性の高い特定領域認定制度としての知識や経験を活かし、患者さんが医師や看護師に相談する前の「気軽に相談ができる専門家」として活躍することも可能です。
プライマリ・ケア認定薬剤師になるにはどうすれば良い?

プライマリ・ケア認定薬剤師は、一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会が認定している資格です。
認定条件や認定までの流れを知ることは、資格取得を検討する上で非常に重要になります。
情報収集の第一歩として、資格取得までの流れや更新手続き、手数料などについて解説していきましょう。
認定条件と認定までの流れ
プライマリ・ケア認定薬剤師になるためには、次の手順が必要です。
2.指定の研修会への出席・講習の受講で必要単位を取得する
3.試験・審査
4.認定
2の必要単位は、初回申請では50単位・更新申請では30単位が求められます
| 初回申請必要単位(50単位) |
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| 更新申請必要単位(30単位) |
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参考:プライマリ・ケア認定薬剤師制度について|日本プライマリ・ケア連合学会
初回申請の際は、必要単位50単位のうち、20単位分は以下の必須領域からの単位取得が必要となります。
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参考:日本プライマリ・ケア連合学会|プライマリ・ケア認定薬剤師要綱細則
また「認定制度委員会が定める方法において認定制度委員会が認める成績を修めていること」とも規定されているため、試験・審査に通過することも必要です。
試験は年度ごとに1回実施されていて、申請期間は1ヶ月と短期間になるため、早めに申請を行わなければいけません。
2023年度は申請期間が7月1日(土)から7月31日(月)(消印有効)までとなっていますので申し込み忘れないようにしましょう。
更新手続きについて
プライマリ・ケア認定薬剤師は、更新の手続きが必要な資格です。
更新手続きは以下の手順で行います。
2.必要単位数(30単位)の取得・受講 ※1
3.審査料の振込
4.申請書類の提出
5.認定証の発行
※1:細則に規定された領域を各 2 単位、計 10 単位の取得を必須とする
参考:日本プライマリ・ケア連合学会|プライマリ・ケア認定薬剤師要綱 細則
申請に必要な書類は以下の7種類です。
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またプライマリ・ケア認定薬剤師は、日本の薬剤師に対する制度ですので、薬剤師資格を有することが条件となります。
日本プライマリ・ケア連合学会のホームページには、更新申請の対象となる認定者が記載されているので、確認をして申請手続きを行いましょう。
申請手数料と更新手数料
プライマリ・ケア認定薬剤師の申請手数料をご紹介します。
| 審査料(非学会員) | 16,500円(税込) |
| 審査料(学会員) | 11,000円(税込) |
| 登録料 | 11,000円(税込) |
審査料は初回申請・更新申請ともに同額です。なお、登録料は初回申請時のみとなります。
プライマリ・ケア認定薬剤師の仕事内容は?
プライマリ・ケア認定薬剤師の主な仕事は、地域医療を担う医療従事者として、患者さんの「身近な相談相手」になることです。
薬の飲み合わせや副作用などの相談だけではなく、一人ひとりの生活習慣や食生活、疾病などの総合的な情報を元に、健康に関するアドバイスを行うことが求められています。
医師よりも患者さんにとって身近な存在となり、薬だけではなく患者さんの生活全般を把握することが最大の仕事といっても良いでしょう。
またプライマリ・ケア認定薬剤師は、他職種との連携も仕事の一つです。
地域医療に関わる他職種の担当者と、患者さんの情報共有だけではなく、在宅医療におけるアドバイザーとしてさまざまなサポートを行うことが重要な役割となります。
プライマリ・ケア認定薬剤師が活きる仕事
プライマリ・ケア認定薬剤師が必要とされる場面は複数あります。
- 地域の保険薬局
- 病院の調剤薬局
- 在宅医療
- かかりつけ薬剤師としての活動
超高齢化社会を迎えている日本では、在宅医療のニーズが非常に高くなっています。プライマリ・ケアは、年齢や疾患を問わずに総合的なケアを意味し、退院から在宅医療へのスムーズな移行や、在宅医療を受ける患者さんへのサポートなど、プライマリ・ケア認定薬剤師は在宅医療をはじめとする地域医療において活きる仕事といえるでしょう。
薬剤師が取得できるその他の認定資格

プライマリ・ケア認定薬剤師は、一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会の認定する特定領域認定制度です。専門性や領域性の高さを活かし、地域医療に欠かせない存在としてニーズが高まっています。
患者さんの身近な相談相手として、一人ひとりと密接なコミュニケーションを取りながら、総合的なアドバイスを行うことがもっとも大きな役割です。
薬剤師が取得できる認定資格は他にも複数あります。薬剤師としてのキャリアアップを図るために、認定資格の取得をぜひ積極的に検討してください。


