薬剤師の副業事情|管理薬剤師はNG?できる仕事と注意点を解説

電卓を持つ薬剤師のイメージ キャリア&スキル

年は、経済的な理由や自己実現・キャリアアップなどを目的に、日本全体で「副業」に取り組む人が増えてきています。

薬剤師の皆さんの中にも、「収入を少し増やしたい」「今の仕事とは別のスキルを身につけたい」「将来の選択肢を広げたい」と考え、副業に興味を持っている方もいるのではないでしょうか。薬剤師は国家資格を有する専門職であり、その知識や経験を活かせる副業の選択肢は決して少なくありません。

この記事では、「薬剤師は副業ができるのか」「管理薬剤師は本当に副業NGなのか」といった疑問に答えながら、薬剤師としての資格や経験を活かせる具体的な副業例と注意点を解説します。

薬剤師の資格を活かした副業

薬剤師の副業には、資格そのものを直接活かす働き方から、知識や経験を応用する形のものまで、さまざまな種類があります。
ここでは、比較的始めやすく、薬剤師の専門性が評価されやすい副業を中心に紹介します。

薬剤師としてダブルワークをする

薬剤師として、本業のあいまにダブルワークをするというのが、まず代表的な副業です。
固定の曜日に休みがある方なら、副業をおこなうにあたって予定を立てやすいのではないでしょうか。休みが不定期の場合も、単確定申告ねん発のバイト(派遣)を活用することで、収入を得ることは十分可能です。
薬剤師としてのダブルワークでは、以下のようなものがあります。

・調剤薬局やドラッグストア
調剤薬局は、土日のみなどの求人も多くあります。本業の休みに合わせ、週に1日などで働くのは、現実的な選択肢となるでしょう。
ドラッグストアであれば、夕方以降の夜間帯の求人もあります。正社員の業務後、数時間のバイトで収入を増やすことが可能です。派遣薬剤師として登録しておけば、都合の合う日だけ単発で働くこともできます。

・学校薬剤師
地域の薬剤師会を通して、学校薬剤師の業務が割り振られている地域が多いようです。1校あたり、年に3〜4回程度訪問し、環境のチェックのほか、感染対策・薬物乱用などについての講義といった業務をおこないます。興味のある方は、地域の薬剤師会へ問い合わせてみましょう。
ただし、社会貢献的な側面が強く、一般的に高額な収入源にはなりにくい点は注意してください。

英語が得意なら医療翻訳も

薬剤師の方は、日頃から英語の文献を読むなど、英語に親しんでいる方もいるのではないでしょうか。英語が得意なら、医療関係の翻訳で収入を得ることも選択肢です。

医療翻訳では、医療に関する専門的な知識が求められます。医学・薬学の知識を持つ「薬剤師」は、基本的な知識面はクリアしやすいといえるでしょう。
医療翻訳を目指す上で必須ではないですが、一定の能力があることを示すための資格として、以下のようなものが挙げられます。
求人に応募する際、未経験でも資格があればアピールポイントとなる可能性がありますので、副業の準備として取得を目指してはいかがでしょうか。

治験実務英語検定
医薬品開発業務に必要な英語スキルの向上を目的とした、国際共同治験等の実務上の英語力の指標となる検定試験です。
医療翻訳では治験関連の文書を扱うことが多いため、翻訳業務をする上で必要な英語力を養うことができます。
ビジネス翻訳能力検定試験
翻訳業界団体である日本翻訳協会が認定する公認試験です。
IR・金融、リーガル、医学・薬学、特許の4分野に分かれており、それぞれ1から5級までの段階があります。
2級以上は、履歴書等に記載する公的な資格と位置付けられています。
JTF<ほんやく検定>
日本翻訳連盟(JTF)による検定で、2級以上に合格するとJTF加盟の翻訳会社から仕事を獲得する機会が広がるとされています。政経・社会、科学技術、金融・証券、医学・薬学、情報処理の5分野から選んで受験できます。
医英検(日本医学英語検定試験)
医学英語運用能力を客観的に評価する指標となる検定です。
2級以上で、英語による論文執筆や討論、医学英語教育をおこなえるレベルと設定されています。

ブログやSNS等の運営

ブログ、note、Instagram、Youtubeなど、薬剤師としての発信活動で収益を得るという方法もあります。自分の得意分野で発信活動がしたい方、自分のペースで活動したい方は、挑戦してみてもよいかもしれません。

ただし、軌道に乗るまでは無収入となってしまうため、すぐに安定した収入がほしいという方には向きません。長期的な目線での取り組みとなります。

薬剤師ライター(医療ライター)として記事を書く


依頼を受けてニーズに合わせた記事を書く医療ライターは、副業として始めやすいものの1つです。時間とパソコンさえあれば、いつでも始めることができます。必ずしも自分の得意分野、知っている内容の依頼を受けられるとは限りませんが、医療の知識が直接的に活きる副業です。

ライターとしての実績提示を求められ、なかなか契約に結びつかないという方もいるかもしれません。その場合は、文章を書く練習も兼ねて、ブログやnote等の運用をおすすめします。

・クラウドソーシングサービスに登録する
サービス内に出ている求人へ応募したり、ライターを探している依頼者から直接依頼を受けたりする方法です。

・求人サイトから応募する
医療系のライターを募集する求人を探し、応募する方法です。

・メディアや企業に対して営業をおこなう
求人が出ているかどうかに関わらず、メディアや企業に対して自身のスキルや実績を提示してニーズをすり合わせ、依頼を獲得するという方法もあります。成功確率は高くありませんが、フリーランスのライターとして継続的に仕事を獲得するには、積極性が不可欠です。

・編集プロダクション等に所属する
編集プロダクション等にライターとして所属し、その中で仕事を割り振ってもらうという方法です。登録するのに実績提示が必要な場合や、そのプロダクションの講習やテストの受講が必要な場合などがあります。

記事や広告を書く上では、「薬機法」を正しく理解していることも重要になります。薬機法に反する文言を使用すると罰せられてしまいますので、注意しましょう。

薬機法管理者」という資格もあります。企業からの依頼を受注する上でアピールポイントとなるかもしれません。

薬剤師が副業をするときの注意点

薬剤師の皆さんが副業をするにあたって、注意したい点をお伝えします。

管理薬剤師・公務員薬剤師など副業NGな職もある

ご自身の勤務先が「副業を認めているか」を確認しましょう。トラブルになる可能性があります。
基本的に、管理薬剤師や公務員薬剤師は副業が認められていません。

管理薬剤師は、薬機法に基づき店舗の管理責任を負う立場であり、実質的に常時の業務関与が求められます。そのため、多くの薬局では就業規則上、副業や兼業を禁止、もしくは制限しているのが実情です。
なお、副業が禁止されている場合でも、「業としての報酬を得ない活動」や「勤務先の許可を得たうえでの例外的な業務」は認められるケースもあります。判断が難しい場合は、自己判断せず、事前に就業規則や上司・人事担当者へ確認しておくことが重要です。

目的・目標などを明確にしておく

どんな目的で副業をしたいのか、見失わないようにしましょう。
「奨学金を繰上げ返済するため月に3万円」「家計の足しに、月に5万円」など、具体的な金額や期限を設定しておくことで、副業の内容や働き方を選びやすくなります。
また、「将来的に独立を目指す」「専門分野の知見を深める」といった中長期的な目標設定も重要です。本業と副業とを同時におこなうにあたり、モチベーション維持につながります。

休息日も設けて体調管理をおこなう

体調管理も重要です。
とくに、正社員として働きながら副業をするという場合には、休みなく働くということになりかねません。休息日をあらかじめ設定してから予定を入れるなど、業務量を調整しましょう。

確定申告をする


副業で得た所得が一定額を超える場合、確定申告が必要になります。

一般的に、給与所得以外の所得(副業収入から経費を差し引いた額)が年間20万円を超えると、確定申告の対象となります。

医療ライターや翻訳、ブログ運営などは「雑所得」または「事業所得」として扱われ、経費計上の可否や、申告方法によって税額が変わる点にも注意が必要です。
副業を始めたら、日頃から収入や経費を記録しておき、必要に応じて税務署や税理士へ相談するようにしましょう。

まとめ

薬剤師は専門職であり、資格や知識を活かせる副業の選択肢が比較的多い職種です。薬剤師として派遣に登録するなどしてダブルワークをおこなうほか、医療翻訳やライター、SNS運用など、自分の強みや働き方に合わせた副業を選ぶことができます。

一方で、勤務先の副業規定や労働時間の管理、体調面への配慮、収入が多い場合の確定申告といった注意点も欠かせません。目的や目標を明確にしたうえで、無理のない範囲から始めることが、副業を長く続けるためのポイントといえるでしょう。

副業をお考えの方は、今回の記事を参考に、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?

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