小児薬物療法認定薬剤師制度とは、薬物療法を受ける子どものために作られた制度です。成長や発達といった子どもならではの特性や子ども特有の疾患について理解し、医師や看護師とともに医療チームの一員として薬物療法に参画します。
この記事では小児薬物療法認定薬剤師の認定条件や仕事内容についてご紹介します。小児薬物療法認定薬剤師に興味のある方は参考にしてください。
小児薬物療法認定薬剤師とは
小児薬物療法認定薬剤師は、日本小児臨床薬理学会と日本薬剤師研修センターが創設した資格で、小児薬物療法分野において一定レベル以上の能力や適性を持っていると認定された薬剤師を指します。
小児薬物療法認定薬剤師は薬剤師としての医薬品に関する専門的な知識はもちろん、子どもの特性や小児疾患についての知識を身につけたうえで、子どもの治療をおこなう際に医師や看護師などの他の医療職と連携して治療に携わります。
また子どもの疾患のことだけではなく、子どもを取り巻く社会的な環境への理解や、母子保健の概要の理解など子どもに関係する知識を広く持つことが求められます。それらの知識を活用して、患者だけではなく、その保護者に対しても服薬に関する指導をおこなったり相談に応じたりします。
このほか、児童に対してくすり教育をおこなったり服薬指導をおこなったりするための知識も持っています。
小児薬物療法認定薬剤師になるにはどうすれば良い?

日本薬剤師研修センターが認定している小児薬物療法認定薬剤師の資格を取得するためには、研修に参加し試験に受かること、新規認定のためのレポートを提出し合格することが必要です。以下で具体的な資格取得方法について詳しく解説します。
認定条件と認定までの流れ
小児薬物療法認定薬剤師になるには「小児薬物療法研修の受講」「研修受講後の試験に合格」「日本小児臨床薬理学会学術集会への参加とレポートの提出」の3条件を満たす必要があります。なお研修を受講するためには、申込日までに保険薬局または病院・診療所での3年以上の実務経験と、現在薬剤師として働いている必要がありますので、注意するようにしましょう。
研修はe-ラーニングによっておこなわれており、令和4年度の例でみると7月から翌年2月にかけて全36コマの講義が実施されています。内容は小児科学概論や小児救急の知識、小児の在宅医療についてなど多岐にわたります。
これらの研修を受講したのちに70問程度のマークシート形式の試験が行われます。
研修を受講し試験に合格した後は、日本小児臨床薬理学会学術集会のセッションなどに関するレポートを提出し、一定の評価を受けて合格することが必要になります。なお、レポートの提出期限は、認定試験に合格した年の末日までとなっていますのでこちらも注意するようにしましょう。
上記の条件をすべて満たしたうえで日本薬剤師研修センターに認定申請をおこなうことで、晴れて小児薬物療法認定薬剤師になることができます。
更新手続きについて
小児薬物療法認定薬剤師資格は3年ごとに更新が必要な資格です。なお、更新には必須単位を含む 30単位以上かつ各年5単位以上の取得が条件になります。
取得する必要のある単位のうち、必須単位は日本小児臨床薬理学会学術集会へ参加し、3単位以上取得することと、業務実績報告を提出して評価を受けることで、得ることができます。
また必須単位以外の単位は、集合研修のうち、「小児薬物療法認定薬剤師更新のための単位」に充てることができる研修や、小児薬物療法に関係する研修などに参加し、単位として認められた場合に得ることができます。
費用について
小児薬物療法認定薬剤師の認定を得るために、必要な研修と研修後に受験する試験の費用は55,000円(税込)となっています。これに加え、認定審査料として22,000円(税込)が必要です。また更新をする際にも認定審査料が22,000円(税込)が必要になります。
小児薬物療法認定薬剤師の仕事内容は?

小児薬物療法認定薬剤師は子どもの患者に対して調剤をおこない、患者本人やその保護者にお薬の説明をおこなったり注意事項を伝えたりします。同時に、患者や家族からの相談に応じ、お薬に対する不安の解消に努めます。また、薬剤の専門家としての知識や保有している情報を医療チーム内で共有し、医師や看護師などほかの医療職への助言や提案をおこないます。
そのほかにも、特に体の小さい子どものうちは、薬剤の使用用量・用法に注意が必要なこともあり、子どもに対するくすり教育や服薬指導を通じて、医薬品の適正使用を啓蒙していくことも求められています。
小児薬物療法認定薬剤師が活きる仕事
2022年9月30日現在734名の小児薬物療法認定薬剤師として認定されています。活躍の場は小児科のある病院や診療所、また子どもの患者が多く訪れる小児科近くにある保険薬局などがあります。病院薬剤師は入院患者や外来患者とその保護者に対して薬の調剤、服薬指導などをおこないます。
また、保険薬局の薬剤師は小児科の処方箋を持参した患者やその保護者に対して同じく調剤や服薬指導をおこないます。
薬剤師が取得できるその他の認定資格

小児薬物療法認定薬剤師は子どものお薬に関するエキスパートです。専門的な知識を活かしつつ、ほかの医療職とともに病気の子どものケアにあたります。
この資格のほかにも薬剤師が取得できる認定資格はさまざまなものがあります。
薬剤師が取得できる資格には、他にもさまざまなものがあります。それぞれの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。





