「2022年度調剤報酬改定のポイントって何?」「2022年度調剤報酬改定の点数表で分かりにくいところがある」と悩んでいる薬剤師さんは多いのではないでしょうか?
2022年度調剤報酬改定では、薬局薬剤師業務の評価体系の見直しが行われ、専門性、対人業務への転換がより明確になりました。さらなる在宅業務の推進、ICTの活用で多様化と効率化が期待される内容です。
この記事では、2022年度調剤報酬改定のポイント、2022年度調剤報酬改定【点数表からQ&A】を解説します。ぜひ、最後まで読んでください。
調剤報酬改定とは?
調剤報酬とは薬局薬剤師が調剤業務を行った際に発生する報酬のことで、調剤報酬点数表で業務ごとの対価が定められています。日本の経済状況や医療の進歩を踏まえて、2年に1度、見直しが行われます。
調剤報酬は薬局薬剤師業務の基本になるものなので、調剤報酬改定の把握は欠かせません。また、調剤報酬内容について患者から質問があった場合には、適切に説明する必要があります。
2022年度調剤報酬改定のポイント
2022年度調剤報酬改定では、薬局薬剤師業務の評価体系の見直しが行われ、専門性、対人業務への転換がより明確になりました。2022年度調剤報酬改定のポイントは以下の4つです。
- 薬局薬剤師業務の評価体系の見直し:対人業務中心への転換の推進
- 薬局の機能と効率性に応じた評価の見直し
- 在宅業務の推進
- ICTの活用
以下で、詳しく解説します。
薬局薬剤師業務の評価体系の見直し:対人業務中心への転換の推進
薬局薬剤師業務の評価体系の見直しが行われましたが、これはあくまでも調剤報酬上のことで薬剤師業務が大きく変わったわけではありません。注目して欲しいのは、対人業務の評価が充実したことです。
以前から薬剤師関与の必要性のあった以下の事項に評価のアップや新設がありました。
- 糖尿病患者
- 医療的ケア児
- 医療機関からの情報提供依頼
- ポリファーマシーへの関与
- かかりつけ薬剤師との連携
業務としてしていない場合は、新たに業務として始めることを検討する必要があります。
薬局の機能と効率性に応じた評価の見直し
地域医療体制加算が4段階になり、地域医療への貢献度に応じた評価体系になりました。中でも在宅薬剤管理の実績が高く評価されています。『患者のための薬局ビジョン 「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ』を数字にしたものとして捉えて良いでしょう。
全国に店舗を持つ大規模グループ薬局の調剤基本料の見直しも行われ、処方箋集中率85%以下の薬局の評価も追加されています。多岐に渡る薬剤師業務が評価されたと言って良いでしょう。
在宅業務の推進
日本の医療費削減の政策を支える在宅医療。在宅医療は薬局薬剤師ならではの業務のひとつです。
今回、新設された評価「在宅患者医療用麻薬持続注射法加算」「在宅中心静脈栄養法加算」などを薬剤師が行うことで、在宅療養の機会が増えると思われます。医療機関で行われる退院時共同指導においても、薬局薬剤師がビデオ通話などで参加する場合の要件が緩和され、活躍の場は広がっています。
ICTの活用
新型コロナ感染で必要が生じて広まったICTの活用。今回の調剤報酬改定では、オンライン服薬指導で従前にはあった施設基準の撤廃、月1回の上限廃止の他、麻薬管理指導加算などの加算の追加などが行われ、より多くの患者へ充実した指導が行えるようになりました。
また、オンライン資格確認システムを用いて患者確認を行える薬局では、電子的保健医療情報活用加算3点(新設)を取ることができ、より効率的に業務が行えるようになりました。

2022年度調剤報酬改定【点数表からQ&A】
見ただけではなかなか分かりにくい調剤報酬点数表。調剤報酬点数表から疑問を感じがちな点を挙げて、Q&A形式で詳しく説明します。
取り上げた調剤報酬点数表の疑問点は5つです。
- Q1.【かかりつけ薬剤師以外が指導しても算定】服薬管理指導料の特例って?
- Q2.【地域医療に貢献する薬局の評価】地域支援体制加算1~4って?
- Q3.【後発医薬品の使用促進】後発医薬品調剤体制加算の減算規定って?
- Q4.【服用薬剤調整支援料2】実績ありとなしで点数が違う!実績って?
- Q5.【分割調剤】新しく導入になったリフィル処方箋と同じ?
自分の解釈と合っているかどうか、確認しながら読んでみましょう。
Q1.【かかりつけ薬剤師以外が指導しても算定】服薬管理指導料の特例って?
A1. かかりつけ薬剤師以外の薬剤師が指導などを行っても指導料を算定できるようになりました。
今まではかかりつけ薬剤師が何らかの事情で指導などを行えず、他の薬剤師が指導などを行っても指導料は算定できませんでした。今回の改定で59点が算定できるようになりました。
ただ誰でも良いというわけではなく、特例を算定できる保険薬剤師は以下をすべて満たさなければなりません。
- 3年以上の薬局薬剤師の実務経験がある。ただし、保険医療機関(病院など)の薬剤師経験が1年以上ある場合は、1年を上限に勤務期間に加えることができる
- 該当保険薬局に継続して1年以上勤務している
ただし、算定要件でも「やむを得ない事情がある場合」に限っており、基本的にかかりつけ薬剤師が指導しなければならないことに変わりはありません。
Q2.【地域医療に貢献する薬局の評価】地域支援体制加算1~4って?
A2. 今まで1つだった地域支援体制加算(38点)が、地域医療への貢献度や実績に応じて4つ(17~47点)に細分化されました。
在宅薬剤管理の実績が倍増(12回以上→24回以上)したことも今回の改定のポイントです。在宅医療へ取り組むことが今まで以上に必要となってきていると解釈することもできます。
地域支援体制加算は薬局の評価なので、満たしていれば来局するすべての患者に対して算定できます。薬局の地域医療への貢献度が薬局運営に大きく影響する時代になりました。
Q3.【後発医薬品の使用促進】後発医薬品調剤体制加算の減算規定って?
A3. 後発医薬品の使用割合が著しく低い場合、点数が引かれます。後発医薬品使用割合の基準がアップ(4割以下→5割以下)し、減算点数も2点から5点に上がりました。
後発医薬品の調剤数量割合が5割以下で適用なので、もはや後発医薬品を使うことは「当たり前」の時代になったと言えるでしょう。
Q4.【服用薬剤調整支援料2】実績ありとなしで点数が違う!実績ってどんなもの?
A4. 実績とは、過去1年間に服用薬剤調整支援料1もしくは2を1回でも行っていれば(算定していなくても)可能です。過去1年間とは、令和5年4月から算定するのであれば、令和4年4月から5年3月31日までを指します。
支援をする場合、重複投薬などの解消の提案や服用薬剤を記載した報告書を作成して、処方医に送付する必要があります。厚生労働省から例として挙げられている報告書様式は、下記のものです。
Q5.【分割調剤】新しく導入になったリフィル処方箋と同じ?
A5. 分割調剤と新しく導入になったリフィル処方箋は別なものです。
分割調剤が行われるのは、以下の3つの場合です。
- 長期処方だが、保存が困難である場合
- ジェネリック医薬品の使用が初めてで不安があり、短期間試す場合
- 患者の服薬状況から医師が服薬に「薬剤師のサポートが必要」と判断した場合
分割調剤では、3回を上限に処方箋が発行されます。2016年改定で新設されました。
引用 厚生労働省|平成 28 年度診療報酬改定における 主要改定項目について
新しく導入になったリフィル処方箋とは、慢性疾患などで症状が落ち着いている患者について3回まで、医療機関を受診しないで薬局で薬を受け取れる制度です。医療費の削減効果が期待でき、また患者の通院負担や再診料軽減などのメリットがあります。
保険薬局薬剤師は、リフィル処方箋の患者に、継続的に薬学的管理や指導を行うため、同一の保険薬局での調剤を受けるよう説明する必要があります。

まとめ|次調剤報酬改定は2024年!薬局薬剤師業務はどう変化する?
この記事では、2022年度調剤報酬改定のポイント、2022年度調剤報酬改定【点数表からQ&A】を解説してきました。
2022年度調剤報酬改定では、薬局薬剤師業務の評価体系の見直しが行われるなど薬局薬剤師業務の専門性、対人業務への転換がより明確になりました。調剤報酬改定は薬局薬剤師の業務内容を左右します。次の調剤報酬改定でも薬局薬剤師業務の専門性への高い評価、薬局業務の効率化や多様化が期待されるでしょう。
