​【認定薬剤師でキャリアアップ!!】緩和薬物療法認定薬剤師とは?認定条件や仕事内容について解説

緩和薬物療法認定薬剤師 キャリア&スキル

薬剤師が取得できる資格はたくさんありますが、「どの資格を取得しようか悩んでいる」という人は多いのではないでしょうか。薬剤師としてキャリアアップするには、早期の計画立案が大切です。

今回は、薬剤師の認定資格の中でも「緩和薬物療法認定薬剤師」に焦点を当てて、認定条件や仕事内容について解説していきます。

緩和薬物療法認定薬剤師とは

困った薬剤師のイラスト

緩和薬物療法認定薬剤師とは、がんなどの疾患により痛みやその他の症状で苦しむ患者に対し、苦痛を緩和するための専門的な知識を持った薬剤師です。この資格は日本緩和医療薬学会が設立したもので、痛みを緩和するための重要なアプローチ方法である薬物療法をより的確かつ安全におこなうために、緩和薬物療法認定薬剤師の需要は今後さらに高まるでしょう

そんな緩和薬物療法認定薬剤師は、一般病棟やホスピス、緩和ケア病棟や在宅といった現場での活躍が期待されています。また、緩和薬物療法認定薬剤師が在籍していても、その資格を活かすシステムが構築できていないところもあります。患者さんに安心して緩和医療を受けてもらうためには、緩和薬物療法認定薬剤師の資格を取得するだけでなく、いかにチーム医療で力を発揮するかを考えることも大切です。

緩和薬物療法認定薬剤師になるにはどうすれば良い?

緩和薬物療法認定薬剤師になるには、計画的に準備を進めていかなければなりません。

以下では、緩和薬物療法認定薬剤師の資格を取得するための条件や、認定を受けるまでの流れについて詳しく説明します。

認定条件と認定までの流れ

緩和薬物療法認定薬剤師の資格を得るには、「申請時において薬剤師として5年以上の実務経験があること」、「申請時において3年以上 緩和医療に従事していること」といった実務要件を満たす必要がありますまた、日病薬病院薬学認定薬剤師や日本医療薬学会医療薬学専門薬剤師等の認定資格を取得している必要があるのに加えて、認定対象となる講習で所定の単位を取得している必要もあります。

他にも、「緩和医療領域に関する学会発表を2回以上(少なくとも1回は発表者)おこなっていること」といった実績が求められるなど、認定条件は多岐にわたります。薬剤師であれば誰でもすぐに緩和薬物療法認定薬剤師の資格を得られるわけではないため、必要な条件を満たすために早期の計画立案が必要になります。

  1. 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。
  2. 申請時において、薬剤師としての実務歴を5年以上有する本学会の会員であり、締め切り期日までに当該年度までの年会費を完納していること。
  3. 申請時において、下記のいずれか一つ以上の資格を有していること。
    ・日病薬病院薬学認定薬剤師
    ・日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師
    ・日本医療薬学会医療薬学専門薬剤師
    ・薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師
  4. 申請時において、引き続いて3年以上、緩和ケアチームまたは緩和ケア病棟を有している病院、診療所等のいずれかの施設において緩和医療に従事している薬剤師であること(所属長の証明が必要)、あるいは申請時において、引き続いて3年以上、麻薬小売業者免許を取得し、かつ、がん診療を行っている在宅療養支援診療所等の医療機関と連携する保険薬局等に勤務し、緩和医療に従事していること(依頼する医師および薬局開設者の証明が必要)。
  5. 申請時6年以内で、かつ、本会会員として認定対象となる講習等を所定の単位(計100単位、毎年20単位[2020年除く])以上履修していること。申請時6年以内に、(がん)疼痛緩和のための医療用麻薬適正使用推進講習会(厚生労働省、麻薬・覚せい剤乱用防止センター等主催)に1回以上参加していること。
  6. 薬剤師として実務に従事している期間中に、本学会年会あるいは別に規定する学術集会において緩和医療領域に関する学会発表(一般演題)を2回以上(少なくとも1回は発表者)行っていること。
  7. 病院等に勤務する薬剤師は、緩和医療領域の薬剤管理指導の実績について、本学会所定の様式に従い30症例提示できること。保険薬局に勤務する薬剤師は、緩和医療領域の服薬指導等の実績について、本学会所定の様式に従い15症例提示できること。2016年10月1日~2022年10月申請時点の、過去6年以内のものに限る。
  8. 所属長(病院長あるいは施設長等)または保険薬局においては開設者の推薦があること。

引用: 日本緩和医療薬学会

上記の認定条件をすべて満たしたら、日本緩和医療薬学会の会員専用ページからWEB上で認定のための申請をおこないます。申請期間になったら、必要書類を送信するとともに審査料11,000円(税込)を緩和薬物療法認定薬剤師認定委員会に振り込みましょう

書類審査を通過したら、試験料22,000円(税込)を振り込み資格取得試験に臨みます合格発表は日本緩和医療薬学会のホームページ上でおこなわれ、認定者には認定証が自宅に郵送されます。

更新手続きについて

緩和薬物療法認定薬剤師の認定期間は5年間のため、5年ごとに資格を更新しなければなりません。資格を更新するには、認定を受ける時と同様に「3年以上緩和医療に従事していること」「必要な講習会に参加していること」といった条件を満たす必要があります

所定の条件を満たしたら、日本緩和医療薬学会の会員専用ページからWEB上で更新申請をおこないます。更新審査料は11,000円(税込)で、期間内に緩和薬物療法認定薬剤師認定委員会に振り込みましょう。更新審査を通過したら認定の有無を問わず郵送で結果を通知されます。

緩和薬物療法認定薬剤師の仕事内容は?

緩和薬物療法認定薬剤師は緩和ケア領域における薬物治療の支援を行うのが主な仕事となり、具体的には患者さんの症状に合わせた薬の提案や投与量の調整、副作用が出た際のサポートなどを行います。
緩和医療ではさまざまな薬剤が使用されますが、使用する薬によっては使用頻度や量を厳密に管理しなければならないものもあるため、従来よりも高い知識と実践能力が求められます。辛い症状とうまく付き合って穏やかな日々を送れるようサポートするには、緩和薬物療法認定薬剤師の存在が重要です。

こうした現場で緩和薬物療法認定薬剤師が力を発揮すれば、病院などの医療機関や在宅といった現場でがん患者さんに対して個別性のある薬物療法を提案・実施できるようになります。ほかにも実践経験で培った経験を医師や看護師等の職種に提供して治療に活かすなど、チーム医療で重要な役割を果たすことも可能です。研究活動や学会発表などで最新の知識を提供すれば、緩和医療がより良いものに発展させられるでしょう。

緩和薬物療法認定薬剤師が活きる仕事

緩和薬物療法認定薬剤師の資格は、一般病棟はもとより、緩和ケア病棟やホスピス、在宅医療といったさまざまな現場で活かすことができます。特に在宅医療においては、治療の場が医療機関から在宅へとシフトしていく中でより重要性を増してくるでしょう。

在宅医療での緩和ケアでは、患者さんやその家族が薬物療法の実践者になることが多いです。安全・安楽に薬物療法をおこない、QOLの高い生活を長く送ってもらうためには、緩和薬物療法認定薬剤師の的確な助言が不可欠であることから、今後さらに需要が高まると予想されます。

薬剤師が取得できるその他の認定資格

認定証アイコン

ここでは、薬剤師が取得できる資格のひとつである「緩和薬物療法認定薬剤師」の概要や資格を取得するための条件や流れについて説明しました。患者さんによりよい医療を提供するためには、薬剤師としてのスキルアップは重要なので、将来どのような薬剤師でありたいかを早期に考えることが大切です。

薬剤師が取得できる認定資格はほかにもたくさんあるため、この記事を参考にしながらあなたに合う資格を考えてみてはいかがでしょうか。

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